謎に包まれたアーティスト バンクシーとは何者なのか- ぴよまるこ -

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正体不明のアーティスト:バンクシー。何かと話題になっているバンクシーですが、「結局どんな人なの?」、「なんで有名になったの?」そんな疑問を解決する記事となっております。ぜひご拝読ください!

正体不明のアーティスト・バンクシー。アートにあまり関心のない人でも、一度はその名を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
バンクシーの素性はベールに包まれています。バンクシーは神出鬼没。街角などのあらゆる場所に独特の皮肉にあふれた作品を残していきます。しかし決して人前に姿を見せることはなく、その大胆なパフォーマンスは「芸術テロリスト」とも称されます。そんなバンクシーの作品は、発表(発見?)のたびに世界中で話題をさらっているのです。
バンクシーとは何者なのでしょうか。彼はどこから来て、どこへ行こうとしているのでしょうか。謎に包まれたバンクシーの正体に、少しずつ近づいていきたいと思います。

▷覆面アーティスト、バンクシー


謎に包まれたバンクシーのプロフィールとは。本人の言葉などから明らかになっているのは、イングランド南部のブリストル周辺で生まれ育ったということです。
ブリストルは18世紀、アメリカ、アフリカ大陸との貿易で発展した町。貿易によって古くから異文化が融合していたため、リベラルな気風の土地柄といわれます。文化面もリベラルで、アメリカやカリブ諸国からヒップホップやグラフィティが流入すると、さっそくそれらを融合して独自のスタイルを編み出しました。バンクシーはそんな風土の町で育ったのです。
「スプレーペイントを道端で見ながら大きくなった」と自身が語るように、バンクシーは幼い頃からグラフィティやストリートアートに囲まれて過ごし、やがて自らスプレー缶を持つようになります。こんな風に自然な流れで「ストリートアーティスト」の世界に入っていったのです。

公共の壁や道路に、許可なく描くストリートアートはもちろん違法。それゆえバンクシーの初期の作品は、当局にほとんど消されてしまっています。
しかし、わずかに残されている作品もあります。
「Mild Mild West」は、バンクシーの数少ない現存するブリストル時代の作品。真っ黒に塗られた背景。重装備の3人の警官に立ち向かっているのは、火炎瓶を手にした可愛らしい真っ白なテディベア。ブリストルの市民の姿を重ねているといわれており、市民投票で街のランドマークにも選ばれました。

やがてバンクシーの才能はブリストルを飛び出し、世界中のストリートアーティストのメッカであるロンドンに活動の場を移します。バンクシーの代名詞にもなった「ねずみ」や「赤い風船を持った女の子」をはじめとする作品が、ロンドンの街のそこかしこに現れました。
そしてイギリスを代表する美術館、テート・ブリテンミュージアムでの事件で、一気に注目を集めることになります。バンクシーは白昼堂々、持ち込んだ絵を美術館の空いた壁に飾りつけ、作家名「バンクシー」と書いた作品解説ラベルまで貼り付けて、何事もなかったかのように去っていったのです。
絵が自然に落ちてしまうまで2時間半ものあいだ誰にも気づかれることなく、その絵はテート・ブリテンに展示されていました。この事件はイギリス中のニュースになり、バンクシーの知名度は全国区になります。
また大英博物館では、先史時代の壁画に似せて狩猟民や動物を描きこんだ石片を、さりげなく展示室に置きました。でも、その絵の狩猟民が押していたのは、現代のショッピングカートでした。
3日間気づかれなかったこの作品は、2018年、公式に展示されることが決まりました。


赤い風船を持った女の子 画像出典:https://www.banksy.co.uk/

バンクシーは海外にも進出します。ニューヨーク近代美術館では、アンディ・ウォーホルの有名な「キャンベル・スープ缶」の絵の隣に、自作の「トマトスープ缶」の絵を無断で設置。自分のアートを観て人々がどのような反応をするのか眺めていたとか。気づかれたのは6日後でした。
缶のラベルに「TESCO Value TOMATO SOUP」とあります。TESCOとは、イギリスで一位のスーパーマーケットチェーン。TESCOの進出で地域にある小さな小売店が潰れていくことへのアンチテーゼだったと言われています。

まさに神出鬼没。バンクシーは、ヒップホップカルチャーに縁遠い一般の人々まで、世界的にその名が知られるようになっていきます。

▷ストリートから美術館まで。神出鬼没のニヒリストの2つの顔


ストリートアートは本来、違法な行為。作品から垣間見える社会への反発や、神出鬼没の覆面アーティストというイメージから「反逆者」の一面がクローズアップされるバンクシーですが、大胆な行動だけで世界的名声を得たわけではありません。

覆面アーティスト、バンクシーには2つの顔があります。ひとつは社会における不条理を皮肉を込めて風刺し、白日のもとにさらす「ニヒリスト」としての顔。もうひとつは、不条理な社会で懸命に生きる人々に手を差し伸べる「影のヒーロー」としての顔です。

2003年の作品『花束を投げる人』は、花束をまるで火炎瓶のように投げつけようとする若者が描かれています。絵だけ見れば、ただのストリートアートかもしれません。しかし描かれた場所、背景によって、絵は大きな意味を持ちます。
この絵が描かれたのはパレスチナのベツレヘムにある建物の壁。そう、反戦、平和へのメッセージが込められた作品なのです。
バンクシーは、期間限定のテーマパークを故郷のブリストル近郊に開園したこともあります。
悪夢のテーマパーク『ディズマランド』。某有名テーマパークを、資本主義や大量消費社会の象徴として大々的に諷刺したものでした。不愛想でやる気のないスタッフたち、パパラッチに追いかけられて事故死したシンデレラのディスプレイなど、ブラックユーモア溢れるパークは5週間限定ながら来場者15万人を記録。解体後、その資材は難民キャンプの施設建設に使用されました。

オークションで落札された直後、額縁に仕込んだシュレッダーで作品を裁断してしまった事件は、衝撃的な映像が何度も報道されたので記憶に新しいのではないでしょうか。バンクシーを一躍有名にしたこの「シュレッダー事件」も、ただの悪戯ではなく美術作品の価格を釣り上げる「オークション」というシステムへの疑問の投げかけです。
ほかにも、有名コミックヒーローのフィギュアを放っぽった男の子が手に掲げるのは、マント姿の看護婦さん人形。2020年の作品『ゲーム・チェンジャー』は、新型コロナウイルスの感染拡大と戦う医療従事者たちへの敬意を表した作品でした。
バンクシーは、常に作品や行動を通して世の中の不条理を摘発し、弱きを助ける姿勢をさりげなく示してきました。作品の裏に流れるバンクシーの精神が、多くの人を魅了してきたのです。

▷バンクシーの正体とは?なぜ「正体不明」のままなのか


いまや世界中でその名が知られているバンクシー。作品が発表されればたちどころに話題を集め、常に注目される存在なのに、依然として正体は謎のままです。しかし、偶然撮られた写真や行動からバンクシーの正体ではないかと噂される人物がいるのです。

そのひとりが、バンクシーと同じイギリス・ブリストル出身の音楽ユニット、マッシヴ・アタックのメンバーで、『3D 』という名前で活動しているロバート・デル・ナジャ。ナジャはバンクシーの映画にも出演したりと、バンクシーと親交もある人物です。
2017年、バンクシーの作品の前でスプレー缶を持った男性が写真に撮られ、その男性がナジャに似ていたことから「やはりナジャがバンクシーでは?」と噂されました。 またマッシヴ・アタックのツアー開催地とバンクシーの作品発表の場所が重なってることも、ナジャ=バンクシー説の有力な根拠といわれています。 しかしナジャ本人は「バンクシーとは親しい友人」と、バンクシー本人であることを否定しています。

もうひとりバンクシーの正体ではないかといわれているのが、やはりブリストルを拠点に活動するグラフィティアーティストのロビン・カニンガム。ロンドン大学の研究者がプロファイリング捜査をした結果、バンクシーの作品とカニンガムの行動範囲が重なっており、目撃されたバンクシーのものらしい作品を描いていた人物もカニンガムに似ているといいます。

しかし、バンクシーの正体はバンクシー本人が認めない限り謎のままです。
バンクシーは、有名になった今もなぜ覆面のままなのでしょうか。
バンクシーの多くの作品には、政治的なメッセージが込められています。そのために自由に表現できる立ち位置が必要なのでしょう。バンクシーにとって、「覆面」は常識や既成概念から距離を置き、制約されないための大切なツールでもあるのです。

▷結び


バンクシーは、落書きといわれていた「グラフィティ」を美術館と結びつけ、「アートとしての価値」を認めさせたアーティスト。
また「正体不明のアーティスト」という謎に包まれた設定は、人々を惹きつけその作品が持つわかりやすく強烈なメッセージ性とあいまって、バンクシーを世界的アーティストに押し上げました。
バンクシーは名声を得た今もとどまることなく、次のテーマに向かって進んでいることでしょう。今後も、覆面アーティスト・バンクシーの活動から目が離せません。

▷参考文献/サイト

バンクシー 壊れかけた世界に愛を 吉荒夕記
バンクシー 壁に隠れた男の正体  ウィル・エルスワース=ジョーンズ

CINRA『15億円調達したバンクシー、旧刑務所を買い取り「芸術の避難所」へ』
https://www.cinra.net/article/202201-briefing-banksy_iwmkr
エムタメ『バンクシーとは?なぜ彼の絵は人を熱狂させるのか 』
https://mtame.jp/design/banksy/
VICE『なぜバンクシーだけが壁に描くことを許されるのか』
https://www.vice.com/ja/article/gy3zbx/banksy
Qetic『バンクシー(Banksy)の正体判明!?制作中の姿が激写』
https://qetic.jp/art-culture/banksy-171214/273621/
ARTFANS『バンクシーの正体がついに判明?!あのミュージシャン?』
https://artfans.jp/banksy-true-character/

▷画像出典

バンクシー公式サイト https://www.banksy.co.uk/











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