役に立たない銅版画#5- 古屋郁 -

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古屋郁さんによる銅版画エッセイの第5回目。今回は、誰もが悩むブランディング・自己プロデュースに関して執筆いただきました。最後まで是非ご拝読下さいませ。

このエッセイには銅版画のことしか書いていません。「銅版画ってなに?」という方は#1をお読みいただけたら、すこし親近感が湧いてくるかもしれないです。今回はブランディングと自己プロデュースが上手に出来ない事について。Twitterでやれよ、なテーマですが天才以外は悩むよね?

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ほっこりなんて糞くらいあそばせ!(それいぬオマージュ)と思っているのに、作品は弱くて映えず、モチーフが動物だとぬるくなってしまい”ほっこり”が目前にせまってきます。私はパンクに憧れているのに!!だからせめて”ぼんやり”と自らカテゴライズし、ひとりニコニコなかゆびたててる事にしようかと考えたりします。

デンマークやフィンランド、スウェーデンの文化が好きですが、日本で北欧はほっこりに分類されがちです。でもヘルシンキの街中でマリメッコは浮いていなくて、ほっこりでも尖ってるのでもなくデザインされていると思う。店員さんが全員マリメッコのシャツを着てる本屋さんでは背筋が伸びる。確かにパリやロンドンに比べたらヨーロッパの田舎なので、最先端の流行とは距離があります。中心から逸れて独自に作り上げられたものは”ほっこり”として見えてしまうのかも知れない。銅版画も現代っぽさを出すのは難しく、私も作品を成層圏に打ち上げるとかNFTアートとかあこがれますが、やっぱりお金も知識も人脈も動機もありません。(最近アクリルペインティングはじめました。)

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自分をオシャレにカッコよく演出するのは恥ずかしくなってしまいます。埼玉育ちだし、別にダサいのは結構好き。だけど、それだとSNSでいまいちパッとしないのです。パッとしないと、もう終わりです。本当に思ったことや撮った写真を載せるだけじゃ駄目だと分かっていても、うまく作れない。似たような作品を出し続けて自分のイメージを固めた方がいいと分かっていても、興味の赴くまま作ってしまう。このコラムはATフィールド(心の壁)の内側で話している感覚もありますが、SNSは人様のタイムラインに流れるので緊張して考えすぎてしまいます。この写真を載せるのはダサい?余計なこと書かない方がいい?フィード醜くない?とか自意識に囚われて、結局投稿せずに下書きがたまっていく。自然にセンス良く作品を作っていて人気のある人すごい!かっこいい!羨ましい!と思ってしまうこともある。でもそう見えているだけで、その人にも悩みはあるのかもしれないけれど。

ただ絵を描くのが好きなだけなのに、なんでこんなに考えなくちゃいけないことがあるんだろう?と思ってしまったら、外に出すのをやめて単に趣味として楽しめば良いだけなんですよね。でも何故かそれじゃ物足りなくて、展示したりネットに載せてハッシュタグを付けたりする。自分に気づいて欲しいのか、社会に参加するためか、経済活動か?全部か?私はご依頼いただいたら挿絵でもペットの絵でもロゴマークでもゆるキャラでも全力で描きます!作例は https://kaorufuruya.com 、ご依頼は kaoru.mog@gmail.com まで!…は作家としてどうなんだろう?マイナス??ダサい???もうよく分かりません。ところで、ダサいって「田舎」を「だしゃ」と読み、「だしゃい」→「ださい」になったらしいです。

ここまでみたいな内容を友人にぐだぐだ相談していたら、「それ悩み相談じゃないよ、独り言、ってかポエム」と言われました。衝撃…!コラムは一方的に話しまくる独り言ですが、無名作家のポエムなんて迷惑な要素まで混ぜて、ブログじゃなくwebメディアで連載してるだなんて…恥ずかしい…だしゃすぎます。

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きょうのどうはんが
ぼんやり系銅版画ここに極まれり!

くま

技法/エッチング
サイズ/10×10cm
制作年/2018









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Author Profile
古屋郁
1991年生まれ。
武蔵野美術大学大学院版画コース修了。
ヴィルニュス芸術アカデミー(リトアニア)でグラフィックアートを1年間学ぶ。
銅版画を中心に、生物をモチーフにした制作を行う。

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