もうすぐクリスマス。街は華やかなイルミネーションで彩られ、クリスマスソングに心が躍る…。
大人になっても特別な気分を味わえる、この季節。
そんなクリスマスの楽しいひと時に、家族や大切な人と絵本を読んでみてはいかがですか?
インテリアにもなる挿絵や写真が美しい絵本、読み聞かせに最適な絵本、大人にこそ読んで欲しい名作など、クリスマスをますます盛り上げてくれる素敵な絵本をご紹介します。
①飾っておくだけでも絵になる!挿絵が美しいクリスマス絵本>
『ゆめのゆき』 エリック・カール あおきひさこ 訳(偕成社・2002年発行)>
5匹の動物と、小さな農場に住むおじいさん。クリスマスの日、一日の仕事を終えたおじいさんはうとうとしながら雪の降る夢を見ます…。
『はらぺこあおむし』のエリック・カールによるクリスマス絵本。
雪に覆われたページをめくると動物があらわれるしかけも楽しく、最後にはあっと驚くサプライズも。目覚めたおじいさんが取り掛かった「あること」とは…?
創造性豊かな貼り絵のコラージュはデザイン性も抜群。プレゼントにもおすすめしたい一冊です。
『チャレンジミッケ!④ サンタクロース』 ウォルター・ウィック 糸井重里 訳(小学館・2006年発行)>
所狭しと並べられたクリスマス飾り。赤いマフラー、クリスマスリース…どこに隠れているかわかるかな?
さまざまな小物が置かれたジオラマ写真の中から特定のものを探し出す「かくれんぼ絵本『チャレンジ ミッケ!』」シリーズのクリスマスバージョン。
簡単に見つけられそうで、じつはこれがなかなか難しい。クリスマスパーティーのゲームに加えてみれば、子どもはもちろん大人でも夢中になってしまうこと間違いなし!
あるいは、アドベントカレンダーのように一日一ページずつクリアしていくのも楽しいですね。
『あっちゃんとゆびにんぎょう』 長尾玲子(福音館書店・1995年発行)>
引用元=https://www.fukuinkan.co.jp/book/?id=635″
クリスマスイブの日、ケーキ屋さんで特別なケーキをもらったあっちゃんは、お礼としてケーキ屋さんにプレゼントをあげたいと指人形を作ります…。
小さな女の子の優しさに心温まる物語ですが、注目したいのはその挿絵。すべて刺繍になっています。
素朴なステッチのやわらかい風合いはいつまでも眺めていたくなるかわいらしさです。
ちなみにこちらに絵本は、ケーキ屋さん、サンタさんそれぞれの視点から描いた『100こめのクリスマスケーキ』『サンタさんのいちにち』と三作そろって『クリスマス・イブのおはなし』という一つの物語が完成する仕組み。
三冊そろえて読んで欲しい作品です。
『クリスマスものがたり』 パメラ・ドルトン 絵 藤本朝巳 訳(リトルベル・2012年発行)>
ナザレという町にすむ「おとめ」マリアのもとに天使ガブリエルがあらわれます。
「マリアよ、あなたはみごもって、男の子を生むでしょう…」
18世紀アメリカのドイツ系移民に伝わる伝統的な手法の切り絵で描いた、イエス・キリスト誕生の物語。
細かい細工が施された天使の羽や、繊細で優しい色使いの花や木々を表現したページは圧巻。
静かな聖夜にゆっくりとページをめくりたくなる、美しい絵本です。
②読み聞かせにも最適!親子で読みたい名作絵本
『さんにんサンタ』 いとうひろし(絵本館・1992年発行)>
引用元=https://www.ehonnavi.net/ehon/5269/%E3%81%95%E3%82%93%E3%81%AB%E3%82%93%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF/”
「さん さん さん さんにんサンタ さんにんぐみの サンタクロース・・・」サン、タク、ロースの三人はサンタ学校の落第生。
三人一緒で一人前だけれど、やることなすこと「てんでばらばら」。
途中でプレゼントがなくなってしまったり、朝までにプレゼントを配り終われなかったりする。そんな「さんにんサンタ」の街の子どもは、さぞ困っているだろうかと思いきや…
ラインと色使いがシンプルな挿絵と、七五調のリズムが楽しい文章は小さなお子さんの読み聞かせにもぴったりです。
「サン」「タク」「ロース」が子どもたちにもたらす思わぬ効果にもにんまり。ダメなように見えて「さんにんサンタ」って実は優秀?
『サンタのトナカイがいなくなったクリスマス』 シド・ホッフ たにかわともこ 訳(新世研・1998年発行)>
プレゼントを配り終えて北極に帰って来たサンタクロース。
8人のトナカイたちに餌をあげようとしたら…なんと、トナカイが一匹いない!
いなくなったトナカイ「プランサー」を探して、サンタとトナカイはアメリカにやってきます。「プランサー」は、どこにいってしまったのでしょう?
こちらの絵本のおすすめは、なんといってもサンタクロースのこの口調。
「はよう こやに はいりんさい」
「うまいニンジンでぇ。いっぽんずつじやけぇのう」
そう、なんと広島弁!
シド・ホッフによるとぼけたサンタのイラストと絶妙にマッチしています。
トナカイの「プランサー」がいなくなってしまった理由にも思わずほっこり。
クリスマスの朝、声に出して読みたくなる絵本です。
『サンタクロースとぎんのくま』 マレーク・ベロニカ みやこうせい 訳(福音館書店・2007年発行)>
クリスマスの日、幼い兄妹に届いたサンタからのプレゼント。
妹モニカには「まり」、兄マルチには「ぎんのくま」のぬいぐるみ。でもモニカがマルチの「ぎんのくま」を欲しがって、二人は大げんかをしてしまいます。
マルチは、妹にも「ぎんのくま」を買ってあげようとしますが、どこにも置いていません。困ったマルチはサンタに会いに行くことにします…。
おもちゃの取り合いという「きょうだいげんかあるある」をクリスマスの魔法で解決してみせる優しい絵本。
きょうだいのいるご家庭におすすめの一冊です。
作者は『ラチとライオン』のマレーク・ベロニカ。原色使いのイラストは目にも鮮やかです。
『おおきいツリーちいさいツリー』 ロバート・バリー 光吉夏弥 訳(大日本図書・2000年発行)>
ウィロビーさんのお屋敷に、大きな大きなクリスマスツリーが届きました。
でもあまりに大きすぎて、天井に先が引っかかってしまいます。執事のバクスターがぱちんと先っちょを切り落とし、小間使いのアデレードにプレゼント。
でも飾ってみるとまたしても天井にひっかかる。ぱちんと先を切り落とし、その先っちょもまた別の誰かの元へ…。
切り落とされたクリスマスツリーがどんどん小さくなっていく、その繰り返しが楽しい絵本。
やがてツリーは小さな動物たちへ。めぐりめぐったクリスマスツリーが最後にたどり着く先は…?
1963年に出版され長く愛されていたお話を、作者のロバート・バリーが自ら着色してカラー版として発行したこちらの一冊。
小さな動物たちの生き生きとした表情にも注目です。ずんぐりとしたコミカルなキャラクターのデザインも愛らしいです。
③じっくり読みたい読み物絵本
『賢者のおくりもの』 オー・ヘンリー 文 リスベート・ツヴェルガー 絵 矢川 澄子 訳(冨山房・1983年発行)>
クリスマスの前日、貧しい夫婦はお互いへのプレゼントに思いを巡らせます。
足りないお金を得るために、自慢の美しい髪の毛を売った妻は夫に時計用の鎖を買いました。
さて、夫は妻に何をプレゼントしたのかというと…。
作家オー・ヘンリーの短編に繊細なタッチのリスべート・ツヴェルガーの挿絵を施した大人向けの絵本。
お金はなくても愛に溢れた夫婦の物語は、大切な人への「おくりもの」とは何なのか教えてくれる気がします。
それはもしかしたらプレゼントという形のあるものではなくて、その人のことを考える時間そのものなのかもしれません。
愛する人を思いながら読みたい一冊です。
『急行「北極号」』 C・V・オールズバーグ 村上春樹 訳(あすなろ書房・2003年発行)>
クリスマスの前の晩、どこからともなく聞こえてきたのはサンタの鈴の音ではなくて、しゅうしゅうという蒸気の音。
ぼくの家の前に汽車が止まった。その名は急行「北極号」。子どもたちを乗せて、サンタクロースのいる北極へ向かうのだ…。
『ジュマンジ』『ザスーラ』など、子どものイマジネーションを刺激する物語とノスタルジックな挿絵が印象的なオールズバーグのクリスマス絵本。
原著は1985年の作品ですが、2003年に村上春樹の新訳版が発表されています。2004年にはロバート・ゼメキス監督によって『ポーラー・エクスプレス』としてアニメ映画化もされました。
あなたの耳に、サンタの鈴の音はまだ聞こえていますか…?大人にこそ読んで欲しい名作です。
遊び心のある絵本、ファンタジックな絵本、心温まる絵本…様々なクリスマスの絵本があります。お話はもちろん、絵やデザインで選ぶのも楽しいですよね。
一人でじっくり読むのもよし、家族や恋人と読むのもよし、贈り物として大切な誰かにプレゼントするもよし。
是非お気に入りの一冊を見つけてみてくださいね。
メリークリスマス!
クラウドファンティングを立ち上げたい方はコチラから
その他、掲載中の記事は ↓コチラ↓ から
#Musician
#Fashion
#Photographer
#Novel
#Pictorial
#コンペ特集
#お役立ち情報
#スタッフブログ
著者名:みんとママ
元図書館司書。寝る前に子どもに絵本の読み聞かせをするのが日課です。
趣味は映画鑑賞。