「安齋肇 えとえのえほん展」~ミュージシャン かせきさいだぁから見た安齋肇~- かせきさいだぁ -

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かせきさいだぁというミュージシャンをやっている者です。ミュージシャン以外にも絵を描いて、展覧会をやったりもしている。安齋肇さんと同じ桑沢デザイン研究所出身で、卒業後はナムコというゲーム会社でゲームの絵を描き、土日はスチャダラパーたちとラップをして暮らしていた。

安齋さんと知り合ったのは僕が’95年にCDデビューして、ある音楽番組に出たのがきっかけだった。その番組のホストの一人だったみうらじゅんさんに「かせきさいだぁ」という名前の由来を聞かれ
「仮面ライダーみたいでカッコイイから」
と答えると、みうらさんに
「かせき君、電話番号交換しよ!今度飲みに行こ」
と言ってもらえた。

それからというもの、みうらさんは飲んでる最中に「そうだ、かせき君呼ぼう!」と思うらしく、大抵深い時間に電話がかかってきた。急いで店に行くと安齋さんが酔って顔を真っ赤にして、しかも怖い顔でみうらさんの隣に鎮座していたものだ。
その頃のことを安齋さんに聞くと、

「あ~、あの頃みうらくんとさ、飲んでるとき若者に説教するってブームがあってさ、それで無理やりにでも説教してたの」

笑った。本当にアホで尊敬できる先輩たちなのである。


そうしてみうらさんは「こいつ呼んだら必ず来るな…」と思ったらしく、絶対無理そうなシチュエーションの日にも電話が掛かってきた。ある日都内に大型台風が上陸した夕方、

「かせき君~、これから飲もうよ。台風なんかに負けたくないじゃん」

行けないのだ。電車が止まってるんだもの。
大雪で全ての交通網がストップしていた日にも

「今みんなで飲んでるからおいでよ!大雪だからこそみんなで飲みたいじゃん」

と軽い~感じで電話がかかってきた。どうしよう…こうなったら日本昔ばなしみたく、雪の中歩いて行くしかない。

「あ、いとう(せいこう)くんが電話代われって言ってるから代わるね」
「いとうです。ホント来なくていいからね。来るの大変だし、これから来ても酔って絶対覚えてないから」

思えばせいこうさんとちゃんとお話ししたのはこれが最初だ。憧れの先輩たちはみんな優しいのである。
さて僕は2000年頃から4コマ漫画や絵を描き出した。音楽一本なのも怖いし、元々絵を描くのが好きだったから。少しずつ個展の依頼も来るようになり、今では毎年個展をしている。2013年のある日、安齋さんから突如

「かせき君さ、ギャラリーで一緒に展覧会やらない?」

と言われた。グループ展のお誘いなのだと最初思った。でも途中で

「何言ってるの?二人展だよ~うふふ」

と言われた。

えーっ!!

安齋さんの印象って、みんなはロックに詳しいいつも笑ってるソラミミの人だろうが、僕からしたらイラスト・デザインの凄い人だ。JALのリゾッチャとか企業とデカい仕事をしている人だ。そんな人と二人展?実力差がありすぎる…そのとき感じた僕の恐怖を、少しでもみんな分けたい。超恐ろしいよ、凄い人と対等に仕事する(楽しむ)のって。
しかし展覧会の日にちがいくら近づいてもやることが決まらない。安齋さんにメールしても

「うひゃひゃひゃ~、ど~しやしょ」

という返事しか返って来ない。ちなみに安齋さんのメールは、普段会ってるとき・テレビに出てるときと全く同じ口調の文面だ。
僕が個展やるときは大体二ヶ月前から作業をスタートする。一ヶ月間色んなサイズ・題材で試して、ラスト一ヶ月で量産する。
でももう後一ヶ月もなく、怖くなった僕は勝手に蛍光の紙に黒のペンで絵を描き、額も決め、安齋さんに送りつけた。「空いてるスペースに描いて下さい」と。
それからちょくちょく二人で展覧会をやることになった。

『AnzaiCIDER』

これが二人の名義だ。2回目からは安齋さんと飲みながらアイデアを練るスタイルになった。

「家具を色々買ってきてさ、そこに二人で絵を描いて、部屋作ろうよ」

冷蔵庫とかベッドとか、売るとき一体いくらになるんだろうか…ちょっと現実的に難しいんじゃないですか?と言うと

「かせき君って、意外と真面目だね」

と返される。本当に恐ろしい。そのときの展示は結局「皿」「掛け時計」「照明」「リュック」様々なものに二人で絵を描き、その作品がすごく売れた。結局安齋さんの言っていたことが出来て成功したのだ。
それから僕は安齋さんの提案を否定せず、「出来るかどうか誰かに相談してみましょうか」と言うようにしている。安齋さんは大抵デカいことを言い出すんだけど、周りに相談していくウチにちょっと形が変わったり、ちょっと規模が違ったりするものの、いつも安齋さんの言っていた形に近くなる。いやはや本当~に凄い人なのだ。
AnzaiCIDER最初の展示が終わったとき、「なぜ僕と組んで絵を描こうと思ったんですか?」と安齋さんに聞いたことがある。返事の内容に驚愕した。

「かせき君サングラスキャラだから」

えっ!?

「俺さ~よく考えたら、サングラスしてる人と長く続くんだよね」

ホントだ…タモリさんに、みうらじゅんさん!

「だから、絵を描いてる人でサングラス、誰かいないかな~って考えたら『あっ、いたーっ!かせき君だ!』って。それで誘ったの」

びっくりしないですか?ホントに。




さてさて、そんな安齋さんが現在しもだて美術館にて『安齋肇えとえのえほん展~ハロルドコミックス危機一髪~』を開催している。ぜひぜひ皆さん観に来て欲しいのだが、開催直前、安齋さんに誘われた。

「かせき君、準備の手伝いに下館に来ない?」

3泊4日という工程で、しもだて美術館に着いて驚いた。大量の真っ白なキャンバスに、組まれただけの木製の屏風(びょうぶ)や小屋が設置されている。えっ…もう5日後に始まるんでしょ?意味がわかんない。安齋さんは笑いながら、

「今回みうら(じゅん)くんやスチャ、宮藤(官九郎)くんたちにお話を書いてもらったんだけどさ、それに絵を付けて絵本にしたいんだよね~」

だからほぼ新作なのだと言う。
スゲェ!こんな広い会場でほぼ新作って。でも何も手をつけて無い…スゲェ。どうするんすか?

「だからさ、会期中この小屋の中で絵を描き続けるんだよね~」

スゲェ!これ結構デカい小屋だよ。高そう!笑

「かせき君にはさ、小屋とか屏風、キャンバスに色を塗って欲しいんだよね」

缶に入った塗料とデカいローラーを渡された。
今回は僕も安齋さんとコラボした作品があるので、皆さんに観ていただきたいのだが、コラボした屏風も僕が全部ローラーで色を塗って、マスキングして文字を書くスペースの色を塗り、文字も自分で書いた。というか、それ以外のキャンバスや屏風もコラボ関係なく僕が塗ったものがある。他のスタッフが手伝ったものもあり、仕上げを僕が担当した。いわゆるバイト長みたいなもんである。






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作業が終わり、夜はみんなで食事に行くのだが、帰りに安齋さんは毎回どデカいキャンバスを6枚持って帰る。食後ホテルの部屋で描くのだという。みんな「半分でも描いてくれたら…」って思ってるんだけど、次の朝6枚全部描いてある。超~凄いんである。
展覧会が始まった今も安齋さんとメールでやりとりしているが、しょっちゅう下館に行って、絵を描いてるそうです。会場内のカワユク塗られた小屋で、安齋さんがブルーのベレー帽・白いエプロンで作業していたら、それは今回僕が安齋さんにプレゼントした帽子とエプロン。僕と安齋さんの友情の証なのです。8月には僕もスチャダラパーのANIと三人でトークショウをやりますのでぜひ。会場に足を運ぶごとに作品が変わってゆく展示なので、皆さんも一緒に楽しみましょう。







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Author Profile
かせきさいだぁ
かせきさいだぁ

‘95年にインディーズ盤『かせきさいだぁ』、翌年メジャー盤『かせきさいだぁ』を発表。音楽以外でも4コマ漫画『ハグトン』を’01年から描き続け、今ではハグトンを題材にしたアート活動にまで表現の場を拡げている。

‘11年、2ndアルバムリリースから13年ぶりとなる待望の3rdアルバム『SOUND BURGER PLANET』、‘12年9月には矢継ぎ早に4thアルバム『ミスターシティポップ』をリリース。‘13年8月には全曲アニソンカバーアルバム『かせきさいだぁのアニソング!! バケイション!』をリリース。

最新作は‘17年8月にリリースした5年振りのオリジナルアルバム「ONIGIRI UNIVERSITY」。

昨年10月にはEテレ「シャキーン!」のシャキーンミュージックに新曲「ミスターアクシデント」の書き下ろしと出演で話題に。

ソラミミスト安齋肇 さんとのアートユニット「アンザイさいだぁ」でも活躍中。
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