僕が大切にしていること。- 中井精也 -

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鉄道写真家の中井精也氏。素敵なお人柄をひしひしと感じられる記事を頂きました。鉄道に興味が無い方も、写真に興味がない方でも、中井氏の記事からは得られるものが沢山あります。そしてその後、きっと中井氏の作品を見てみたくなるはず。

いつのまにか、写真を仕事にしてから30年近く経ちました。

僕が写真をはじめたきっかけは、

父親から一眼レフカメラをもらったこと。

いろいろなものを撮ったけど、最後に残ったのが鉄道でした。

それ以來、ずっと鉄道を撮り続けています。

そんな僕が

アマチュアからプロになり、家族ができ、

写真をずっと続けてきたなかで、

大切にしてきたことがいくつかあります。

ここではそれについてお話しましょう。

出し惜しみしない



何かいい写真が撮れたとします。

これはいい写真だから、

何か大切な仕事のためにとっておこう。

そう考えた瞬間に、その写真が自分の頂点になってしまいます。

だから僕は大事な仕事とかちいさな仕事とか関係なく

すぐに発表してしまいます。

そうするとまた

その写真を越えるいい写真を撮ろうとします。

それが僕を前に進ませてくれるのです。

自分に照れない



何かを生み出すとき、自分がいいなと思ったことは

そのまま発表します。

僕は上の写真に

「君と、青空いろの列車にのって…」

というポエムをつけられちゃう子です(笑)

自分のキャラにあわないかな?

笑われないかな?なんて考えていたら

作品なんか発表できません。

本当に自分がいいと思ったら、発表する。

自分に照れているうちは、

人には伝わりません。

ライバルは自分



ある程度の立場になってくると、

あなたの制作物に対して

まわりの人は何も言ってくれなくなります。

ホントは自分が納得していなくても

もっとやれるとわかっていても

まわりは認めてくれ、仕事は流れていきます。

そんなときに大切なのは自分です。

「お前はもっとできるだろ」

「そんな写真で妥協しちゃうんだ」

そういうことを言ってくれる辛辣な自分がいると

自分のクオリティーを保つことができます。

ライバルは自分。これ大切です。

いつかではなく今やる



いつか海外で仕事したい

いつか自分の店を持ちたい

いつか…いつか…

「それ本当に今できないことですか?」

っていつも自分に問うています。

僕もずっと、いつか自分の画廊を持ちたいって言ってました。

でもやってみたら、持てちゃいました。

やらない理由を探さずに

具体的に動き出してみると

意外に「いつか」は、すぐやってきます。

まぁまわりのスタッフは大変ですが(笑)

漫然と生きない



「ボーッと生きてんじゃないよ!」

っていうのが流行っていますが、まさにそれ。

仕事だけじゃないんです。

高速道路の坂道でボーッと減速して

渋滞を招いている人たち。

高速道路の追い越し車線をボーッと走って

流れを悪くしている人たち。

何でもかんでもボーッと食べて

太っているぼく(笑)。

「一生懸命やっている」と思いながら

ボーッと生きていませんか?

自問自答してみましょう。

楽しむ



ありきたりだけど、やっぱり大切なのは

仕事を楽しむことです。

ほとんど休みを撮らない僕は、

中井さんは休まないんですか?とよく聞かれます。

そんなとき僕は、

「遊んでいるようなものですから」って答えます。

これはカッコつけているんじゃなくて、本当なんです。

たまに休みができると

どの鉄道を撮ろうかなんて、考えてしまいます。

写真は撮るものではなく

伝えるものだと考えています。

だから撮り手が楽しんいないと、

楽しさは伝わりません。

仕事を楽しむこと。

楽しいと感じる仕事を探すこと。

すべての基本な気がします。


以上、

これが僕がこれまで仕事してきたなかで

気をつけていることです。

参考にしなくてもいいので

気にとめていただければハッピーです。

それではどこかの線路際でお会いしましょう。


鉄道写真家 中井精也

Author Profile
中井精也
中井精也(なかいせいや)
1967年、東京生まれ。鉄道の車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として独自の視点で鉄道を撮影し、「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など新しい鉄道写真のジャンルを生み出した。

2004年春から毎日1枚必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。広告、雑誌写真の撮影のほか、講演やテレビ出演など幅広く活動している。

株式会社フォート・ナカイ代表。
2015年、講談社出版文化賞・写真賞、日本写真協会賞新人賞受賞。

2018年5月、東京都荒川区に鉄道写真ギャラリー&ショップ「ゆる鉄画廊」をオープンした。甘党。
https://ameblo.jp/seiya-nakai/"
「デジタル一眼レフカメラと写真の教科書」
「DREAM TRAIN」(インプレス・ジャパン)
「ゆる鉄」(クレオ)
「都電荒川線フォトさんぽ」(玄光社)
「中井精也のてつたび」/NHK BSプレミアム
「ヒルナンデス!沿線フォトさんぽ」/日本テレビ
「ひるまえほっと てくてく散歩」/NHK総合
中井精也の「にっぽん鉄道写真の旅」/BS-TBS
カメラと旅する鉄道風景/CS各局
僕が大切にしていること。 - 中井精也 -
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