というわけで、前回の続き。
近年に撮影した堕落部屋の写真を見ながら解説などしていきましょう。
※今回公開する写真群は写真集に掲載されていない写真である。
ウルトラハウスのシンママ。
この部屋主はヒーロー全般から助けられているそうです。何から助けられてるのかは聞いてませんが。
※この部屋の様子は動画でも公開されています。
4:29あたり〜
https://youtu.be/ykj21gosZ2s
シンママの昼下がり、お面を被ってもらってるのですが、髪の毛の具合も相まって般若っぽいなと思ったら最後、般若にしか見えなくなってきました。般若とは仏教用語で「智慧」だそうですお面を被ることで何かを悟るのでしょうか。
部屋撮影のマイ作法。
続いて写真をみながら機材や撮影時の注意点などを話してみます。
機材に関しては個人的にはなんでもいいと思います。趣味でSNSとかでしたら、新しめのiPhoneで十分なのではないでしょうか。写真集、展覧会での展示等を想定した場合、それなりのクオリティがあるほうが後々楽ちんなので、そこいらへんを踏まえた私のセレクトです。
機材>
・フルサイズのミラーレスカメラ
→最新のシステムとレンズは高性能高解像度、鋭いピントで非常に線の細い描写をしてくれる。
※使用目的や使用者の使い方により差はある。
・広角レンズ。14-30mm、16-35mmなどのズームレンズ。
→部屋全体をばっくり説明的に記録する。
・標準ぽいレンズ。35mm〜60mmくらいの明るめの単焦点レンズ。
→気になるスポット用&部屋主のポートレイトなどに。
可能なら高画素機と高感度耐性機の二台あると便利。記録はRAW。後からなんとでもなりやすいのと、現像ソフトの進化で昔撮ったRAWデータの写真が生まれ変わることがあるから。
撮影>
・基本は窓からの自然光。(経験上、日中12時前後が理想)
窓が締め切られていたり、光が少ない時はディスプレイ、テレビ、スマホの光などを利用します。
とある大学生の部屋より。
・壁を背にして正面に窓のある壁をメインにすることが多い。撮れる方向は基本的に全て記録しておく。
カメラ位置は壁面幅中央くらい、高さはウエストレベルくらい。垂直方向の線に気をつける。ワイドのレンズで部屋全体を望む。写真はバルーンギフトデザイナーの部屋。ケーブルがいい感じである。
・時には床ギリギリで。ミラーレスになってからファインダーを覗かなくても背面ディスプレイで確認できるため、この手の撮影が格段にしやすくなった。(従来の一眼レフでもできますが撮影テンポが違うのです)
・人物の配置は任意であるが、現在では人物在りがデフォルトである。
なぜなら、人物のキャラは部屋を引き立てる要素のひとつであり、その効果が割と高いためである。このことから、部屋の状態より人物のキャラクター性で依頼することのほうが増えたかもしれない。
現代美術家の部屋より。
・人物中心の部屋ポートレイト。部屋に入ると人物は部屋の一部となり風景化する、なんてな・・・。
・にゃんこと共に、モデル。にゃんこの足かわいい。
・気になるスポット1。焦点距離50mmくらいで撮ってみる。
フィギュアと金魚が奇跡的にシンクロした瞬間。決定的瞬間は部屋でも生まれるのだ笑。
金魚はお祭りの金魚すくいでゲットしたそうな。バラサバラサ。
・バスルームも部屋である。水回りには海洋生物がお似合いなのか。
・下から煽ることもある。天井に装飾等がある場合は有効。工夫が見られる写真はあまり好きではないが状況に応じて活用するのはよいのではないでしょうか。
・拡がる世界を俯瞰気味に。服飾専門学生。
・気になるスポット2。トイレも部屋である。ウルトラマンシリーズ(エースまで)のオープニングを想起させるフィギュアのシルエットが美しい。便所のベンソン(イラスト)ちょっと怖い。現像時の露光調整は扉を開けた時の印象を思い出しながら。シャドー部は潰さないのが好み。
・同じ部屋、同じ部屋主を定期的に記録することもある。定点観測みたいな感じ。
メルヘソデザイナー。 https://www.instagram.com/hirokoten/
2015年の様子。
2019年解体が決まり、その直前に記録。
このように毎回同じような設定で撮影することで、部屋ひとつひとつの相違点の抽出を試みている、、、というのは建前で、スムーズに撮影するために決めているだけである。
撮影時間は90分が目安。
早い時は40分くらい。(初期は1日3件とかあったため。クオリティを保つためには1件が望ましい)
現在は動画を回すこともあるので、2時間くらいかけるかもしれません。
・その他
なるべく見所を作らない、見所を一点にしない、面で捉える。
従来の考え方だと、散漫と言われるところだが、それはあくまでも従来の考え方であって、自分のスタイルにはあまり必要ではない。(依頼仕事などはまた別です)
なるべく見どころを作らないようにすることで、鑑賞者が写真を見ながらあれこれ想像してもらいたいのです。とはいえ、人物が入るとどうしてもそこに視線が行きがちなので、それは忘れてください。
写真の画面上における人影の強度は、その人影が占める面積に関わらずかなり強いのです。
ドラマティックにしないというのもポイントです。
学生の頃、何かの雑誌で都築響一さんが仰っていて、なんとなくずっと憶えていたのです。
その約20年後に写真集堕落部屋の帯に寄稿してもらうことになるとは、人生何が起こるかわからない・・・。私的には部屋写真のパイオニア(前編参照)です。ドラマティックに撮らなくてよかった。
ながながと書いてしまった。
何か気の利いた落とし所も見つからないのでそろそろおしまいにします。
私が写真やってみようと思った理由の一つを思い出したのでそれで締めましょう。
誰が撮っても基本的に差が出にくいので、その差が出せたら良いことあるかも?とか思って続けてきました。ひと目で誰が撮ったか分かる写真。なんとなくでもいい。
しかし、なかなか差が出ないものですねぇ・・・。
写真に興味を持った方々、映えとか機材に拘らず(拘ってもいいけどな)写真を楽しんでください。
その先には豊かな人生が待っているでしょう。多分。
それではごきげんよう〜。
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愛公仔18歳
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