5年の時の流れとともに。燐の歩みと今が凝縮された夜。
燐 -Lin- ワンマンライブ Naturalin High!!!
New Album『4-12』Release Party ライブレポート
2023-04-07 新宿WildSideTokyo>
Photo:クボツヨシ,VJ:manako
2023年4月7日。
ニューアルバム『4-12』のリリースパーティーと称する燐のワンマンライブが、新宿WildSideTokyoで開催された。この日のライブでは、燐のソロパフォーマンスのみならず、新作ミュージックビデオの公開、さらにニューアルバムでタッグを組んだ3人のユニット演奏も披露。雨模様の中、会場には溢れんばかりの人たちが集まり、新しい映像と音を浴び、同じ時を共に過ごした。
Text:Backy☆OSAKA
この日のプログラムは新作MVのお披露目からスタート。撮影の舞台裏が垣間見える20分間のメイキング映像に続いて、ステージ上のスクリーンに新曲『深淵』の映像が流された。 まだ多くの雪が残る山形県・出羽三山にある巨大な神木。その前で燐のベースを軸にコントラバスとチェロの弦が音を紡いでゆく。幻想的なロケーションの中でのパフォーマンスは圧巻の一言に尽きる。
左から燐 -Lin-、しおりん(Cello)、うのしょうじ(Contrabass)
舞台裏のエピソードの中で、筆者が最も印象的だったのは、燐が杉花粉のせいで鼻を詰まられながら曲の解説をする場面。なんとも微笑ましい気持ちになるこのシーンはメイキング映像の後半に出てくるので、これからご覧になる方はぜひ注目していただきたい。
自らの曲を思いのままに紡ぐ。音が溢れ出るかのような四弦独唱。 ここからいよいよライブがスタート。この日のステージは2パートに分かれており、前半には燐のソロパフォーマンスが披露された。 天井の高い会場の隅々まで包むように伸びる声から始まったのは『白波のうた』。彼女の声に心地よく酔いしれていると、サビのパートでは目の覚めるような低音を突きつけられる。だが、この緊張感が心地いい。 思いのままに曲を紡いだ燐は、すっかり心地よくなったようで、ハイテンションなMCで再び会場を盛り上げる。自身でも言っていたが、まさにライブのタイトルどおり「Naturalin High」といったところだ。重いテーマの曲もあれば、底抜けにハイな一面も臆面なく魅せる燐。このギャップが観る者の心を鷲掴みにする。 ▷【燐 ソロセッション】 セットリスト ▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃▃ シンプルな12本の弦が奏でる、限りなく深い音色たち。 ステージ後半は、ニューアルバムでセッションした3人のユニット演奏だ。 1曲目は『一握の砂』。軽快なベースのリズムとともに燐の声が響く。そこに水をたたえるかのようにそっとチェロが重なり、コントラバスが混ざり合う。少しずつ、だが確実に12の弦が奏でる音が会場を埋め尽くしていった。 続く『光の果て』は、五拍子の独特なリズムが光の放たれる瞬間を体現させてくれる曲。ベースとコントラバスが弾き合って生まれる旋律が、心臓を握り締められたかのように重く響く。 「この楽曲を音源にして詰め込んじゃったんだよ。これ夢?現実だよね!」 この日のラストに奏でられたのは、アルバムでもラストに収録される『海の馬』。 この日に演奏され、アルバムにも収録されている6つの楽曲たち。中には5年前に作られ、新たに生まれ変わった曲もあるという。 ▷【4 12アルバムセッション】 セットリスト ▷燐-Lin- Official Web Site クラウドファンティングを立ち上げたい方はコチラから
MV披露の後は、出演者によるトークセッションへ。
田畑"10"猛が進行役を務め、撮影にまつわるエピソードが出演者から語られた。撮影時はとにかく寒く、手が震えるほどだったという話や楽器を運ぶのがとにかく大変だった話など、メイキング映像だけでは見えない苦労やエピソードトークに花が咲いた。
満面の笑みでおどけながら登場する燐。「よし、そろそろ演奏するかー」の一声を残し、スイッチを切り替えるように彼女のマインドは一瞬で演奏モードにシフトする。一音ずつ確認するかのように『Intro』を奏で、そのままの流れで曲は『蝉時雨』へ。自身の紡ぐ音を噛み締めるように演奏する燐。細かく弦を爪弾きながら、ゆっくりと会場の空気を変えていく。
続いてはリズミカルな短音を刻むイントロからの『純粋な奇形児』。
一度聴いたら忘れられない刺激的なリリックが奏でられると、短音のリズムはドクドクと脈打つ鼓動のように感じられてくる。
一本の弦だけを淡々と刻み、抑えたリズムにあわせてポエトリーディングのように紡ぐのは、まだタイトルのない新曲。彼女が口にする確かなものと不確かなもの。それは背中合わせであり、彼女の紡ぐ音と声そのものなのかもしれない。
「ベースの音が鳴っているところに自分の声を載せるのが好き」と臆面もなく語り、全身でその喜びを表現する燐。そのピュアな笑顔は、演奏中の音色とはまた違った心地よさをもたらせてくれる。
1 Intro
2 蝉時雨
3 白波のうた
4 純粋な奇形児
5 新曲(タイトルなし)
6 ブルーシート
7 No title>
「イエーイ!三重奏やっちゃうよー。そういうテンションの曲、ないけどねっ」。
ソロステージ同様、ハイテンションで登場した燐。同じくハイテンションでおどけるコントラバスのうのしょうじ。そしてチェロのしおりんがスタンバイ。またしても燐のスイッチがパチンと切り替わり、いよいよこの日の目玉となる三重奏が始まった。
続いては最新MVにもなったインスト曲『深淵』。ベースとチェロ、そしてコントラバスの12弦が波のようにうねる。3人それぞれが操るのは四つの弦。だが、一人ひとりの指先が弾く四つの弦からは、それ以上の音が生み出されては消えてゆく。それはまるで、シンプルながらもいつまでも飽きずに眺められる海の満ち引きの中に佇むかのような感覚にさせてくれる。
小刻みに刻まれるベースのリズム。それを追うコントラバス。コントラバスのボディを叩くアドリブ。燐も両手の平を駆使してベースの弦とボディを叩き打音を響かせる。『Beyond』では、前曲までとは打って変わって駆け出したくなるようなリズミカルなサウンドが展開。ステージ上のメンバーも自らが奏でる音の中で心地よさそうな表情を浮かべ、燐も身体を揺らしている。
このユニットでアルバムが完成したことをストレートに喜ぶ燐を観ていると、この日のライブを生で体感できた喜びを改めて噛み締めることができた。
MCの後に続いたのは『燈-Akashi-』。語りかけるように言霊をぶつけてくるのではなく、伝えたい言葉がこぼれ落ちる。そんな曲だ。じっと前を見据えて歌う燐。その横で掻きむしるかのようにコントラバスが唸った。
イントロを弾きながら満員の会場に礼を告げる燐。この瞬間を噛み締めるかのように天井を見上げつつ、ゆっくりと歌い始める。やさしい音色のベースにチェロの長い響きが溶け込む。やわらかな旋律だが、その奥にはそっと炎が燃えている。まさに燐を象徴するようなイメージの曲だ。しっかりと目を見開き、真っ直ぐに前を向いて歌う燐。曲の展開とともに歌声もベースの音色も次第に重くなる。サビではコントラバスうのによるコーラスが融合し「海に沈めたい」というフレーズとともに、炎が消えるようにそっと曲が締めくくられた。
「燐」を名乗り始めて5年目になる彼女。「4-12」はこの5年の集大成でもあり、現在形でもある。そしてこの日のワンマンは、前半のソロパートと、後半の3ピースセッションを通じて、燐のさまざまな側面を垣間見ることができる貴重な時間となった。
1 一握の砂
2 深淵
3 光の果て
4 Beyond
5 燈-Akashi-
6 海の馬
▷【Cast】
E.Bass.Vo.:燐-Lin-
Contrabass:うのしょうじ
Cello:しおりん
VJ:manako
トークコーナーMC:田畑"10"猛
FOOD:きしぱん
物販・イベントフライヤーデザイン:まめこ>
https://lin412mg.wixsite.com/lin412mg
▷2023,04,07 Release
2nd Album “4-12(Four-Twelve)”
https://www.tunecore.co.jp/artists/Lin_Japan?lang=ja
1 一握の砂
2 深淵(With StringsVer.)
3 光の果て
4 Beyond(With StringsVer.)
5 燈-Akashi-
6 海の馬
(現在デジタルリリースのみ、全6曲)
▷Music Video
“深淵 Abyss”
▷ライブスケジュール
▼燐-Lin-ソロ
5/2(火) 高円寺OrientalForce
5/12(金) 渋谷Ruby Room
7/8(土)越ヶ谷音楽茶屋ごりごりハウス
▼燐-Lin- with チェロ&コントラバスTrio
4/30(日)横浜音小屋
5/13(土)越谷ごりごりハウス
5/16(火)神田THE SHOJIMARU
5/26(金)吉祥寺BLACK&BLUE
8/19(土)大阪心斎橋
▼VortEks-15(燐-Lin-×佐伯憲陽)
5/5(金) 福生チキンシャック
5/20(土) 福生 在日米軍横田基地「友好祭」
6/1(木) 池袋Cafe&Bar Loind’ici5F
▷問合せ先
https://lin412mg.wixsite.com/lin412mg/contact
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