No Shortcuts Vol.12- 松下マサナオ -

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「No Shortcuts」 第12回目は、Yasei Collectiveを始め、日本の音楽業界の最前線を走るドラマー・松下マサナオさんと、ライブハウスの店長として音楽業界の最前線を走る「青山月見ル君想フ」のタカハシコーキさんとの対談となります。タカハシさんがライブハウス店長になるまでの話とともに、演奏者側とライブハウス側、双方から音楽業界のこれからを語っていただいております。お楽しみください!

松下:ゲストとして、「MoonRomantic」「青山月見ル君想フ」のタカハシコーキさん。もう付き合い長過ぎて、何を聞いたらいいか逆によく分かんないんだけど。逆にこうやって2人で話すことって、今までになかったでしょ。

タカハシ:そんなにないよね。

松下:パラシュートツアーも一緒に回ってるからね。ライブハウスの店長としては、かなりレアな付き合い方をさせてもらっている。

タカハシ:そうだね。

松下:なので、ちょっとここで一発、話を伺っとこうかなと思って。第12回のゲストとして呼ばせていただきました。

タカハシ:光栄です。

松下:よろしくお願いします。

タカハシ:よろしくお願いします。


【もうまさにノルマの世界だった】


松下:まず、この対談形式でやらせてもらってる「No Shortcuts」は、タイトル通り僕らより下の世代の、音楽もそうだしアート全般にいろんな、これから業界に入ってきたいっていう若い子たちに向けた「早道はないんですよ」っていう対談企画で。やっぱりショートカットじゃなくて、ちゃんといろんなことがあってこうなってんだよっていうのを聞いてもらうやつ。

タカハシ:なるほどね。

松下:ライブハウスの店長さんとしては前回、もうずっと前だけど、去年世界がこれからコロナでどーなっちゃうの!な頃にO-EAST店長の岸本さんにも出ていただいて、今回は2人目になるんですけど。コーキさんは俺の中で、マネージメントというよりかは、ディレクターに近い感じの立ち位置の店長っていうイメージが。こういうふうにしてったらどうだろうっていう、ライブハウスの位置付けみたいなとこまで考えてて。他の箱やイベンターとすごい濃いとこまで一緒になって色々やったりとかしてるから面白いなと思うんです。ちょっとその辺も話を伺いたいんだけど、まずはコーキさんの、生い立ちっていうか、月見ル君想フの店長に至るまでの、この業界入って今の仕事に就くまで話を聞かせてください。

タカハシ:ざっくりね。音楽を自分がやってたっていうのは一つ大きくて。自分がバンドマンだったとき、もうまさにノルマの世界だったんですよ。で、広がっていかないライブハウスの業界、東京の感じに、俺はもうめちゃくちゃそのころ不満を持ってて。

松下:みんな持ってたよね。

タカハシ:そうなの。「もうこんなところ出てやるか、クソ」とか、そんなことばっか思ってたの。あるとき「ライブハウスなんかもう出ねえ」っていろいろ思って、一切ライブハウスに出るのやめた時期があって。

松下:ちなみに、そのやってたバンドとかどんな感じでやってたんですか。もう知らない人が多いと思うから。店長さんの今のイメージのほうがでかいじゃん。

タカハシ:俺はね、歌を歌ってたんだけど、英詞で。当時まだ英詞とかもはやってなかったし、新しいジャンルを作りたいみたいな、ちょっと頭でっかちなことやってて。あんまり受け入れられてなくて。自分が入り込めるライブハウスのシーンも分からず、だから何となくすごい浮いてる存在としてやってたんだよね。そういうちょっと頭でっかちみたいなところもあったから、イメージだけが先行してて。もっとこうしたいのにって、不満が結構あったんだよね。

松下:それ何歳くらいですか。

タカハシ:23~24とかそのぐらいだと思う。15年以上前だね。それであるときライブハウスにもう出るのをやめようと思って、ライブの場所は全部自分で作ろうと思ったの。それからギャラリーだとかカフェとか、路上も含めて、あらゆるところでライブをやってったの。それで、いろいろな人と出会って、その中で転機があって、アメリカにツアーでライブに行けることになったのね。

松下:全然知らなかった、それ。

タカハシ:で、ポートランドのバンドと一緒に回れてたから、結構大きいところでできて。すごいよくしてもらえたんだよね(笑)。見てきた環境とかライブハウスとか、俺が東京に対して思ってた不満が、アメリカ行ったら答えが全部あって、ここ最高だなって思って。
何ていうか、イケてるだけじゃなくって、ちゃんと音楽がリスペクトされてて、社会の中でちゃんと消費されてんの。

松下:確かに。

タカハシ:日本って全然そんなことなくて、そのバンドを知ってる人だけが来る空間になってるじゃない。向こうはさ、例えば会場の窓が開け放たれてて、通り歩いてるといい音楽が分かるんだよね。聞こえてきた音楽がいいと、入場料も安いから入れるの。入って飲むから、ミュージックチャージは全部アーティストにバックが行く。

松下:まあ、基本的にはね。

タカハシ:だから、末端のアーティストもちゃんとギャラをもらえるし、みたいにちゃんと成り立ってるんだよね。そういう当たり前のシステムが日本って全然なかったの、当時。
で、日本に帰ってきたんだけど、そのくらいから自分はもう演者じゃなくって、こっちでライブハウスって環境を作っていくほうにちょっと興味があるかもって思い始めてたんだよね。そんなときに派遣切りにあって無職になっちゃったから、友達の工房の手伝いをしてたの。そしたらその工房でずっとJ-WAVEがかかってて、たまたま来日公演のアナウンスをしてて、そこで聞いた月見ル君想フって名前が耳に残ってて、次の日電話したの。

松下:まじで?

タカハシ:うん。働けませんかって。

松下:すげーおもろいね、それ。

タカハシ:(笑)。やばいっしょ。


タカハシ:「じゃ、取りあえず明日来て」って言われて面接に行って。最初に「日本のライブハウスが本当に嫌いなんです」ってところから入って。

松下:でも、まだ月見ルその頃、ノルマとか結構やってたよね。

タカハシ:そうだね(笑)。でも、ノルマ中心で生計を立ててるような箱ではなかったんだよね、やっぱり。

松下:そうそう、それはある。あと、いいアーティスト選んでたよね。できるだけ若手を使ってたし。

タカハシ:やっぱり面白いシーンを作ってたね、当時から。

松下:あとやっぱり内装とか、その辺が他の箱と全然違うじゃん。

タカハシ:そうだね。

松下:天井が他より全然高いっていうのはあるけど、他と違う感じ持ってたよね、月見ル雰囲気がいいんだよとっても。

タカハシ:あそこ作ったのはでかいよね。

松下:もう海外のサイトでも、すごい言われてるじゃん。東京の行くべきライブハウス何選とか、必ず入ってるもんね。

タカハシ:あったね。ありがたいね。

松下:俺らって、最初に会ったのいつでしたっけ。

タカハシ: Yasei Collectiveの2回目の出演。2010年のどっかかな、たぶん。

松下:いつ店長になったんでしたっけ。

タカハシ:2014年の頭。


松下:知り合った後、途中からなったもんね。

タカハシ:そう。でも割とイベント組んでるから、当時から結構カラーを出してたかもね。

松下:確かに。

タカハシ:だからマサナオ君が言ってくれたように、月見ルのカラーってやっぱちょっと変わってて。たぶん俺がそうしちゃってるからなんだけど、受け身じゃなく、うちらが何を発信するかってところをすごく大事にしてて。全員もう表現者、俺もプロデューサーであり表現者のつもりでやってるのね。

松下:最近の配信のクオリティーでもめちゃくちゃ出てるよね。みんなが自分が聞きたいところにカメラ向かってって、映像感とかもそうだし、やっぱ確実に一歩前に出てたじゃん、配信をみんながやり始めた時点で。東京のライブハウスの中では、圧倒的高クオリティーだったし。その投資も大変だったと思うけど。寺尾ブッタさんの存在もあると思うしね。

タカハシ:彼は面白いよ、本当に。


【本当は自由に、せめてお金とかのこと気にせずに面白いことだけしたいの】


松下:店長になるっていうその数年間の間に、何か劇的な変化っていうか、そういうのはあったの?店長になりたいと思ってたのか、流れでなっていったのか。きっかけとか。

タカハシ:なりたいと思ってたっていうとちょっとおかしいけど、でも月見ル自体をもっとこうしていきたいみたいなのも結構あったから、自ずとそういう流れになってったっていうのあったかも。

松下:もともとは、「ライブハウスなんかでもうやらねーぜ」っていう、オラオラなシンガーだった人間が、アメリカ行って、ある意味打ちのめされてさ。システムの違い、こうやりたいけど日本ではできないとか。でも、そういう不満のあるシステムの中にあるライブハウスに自分から飛び込んでいくっていうの、いろいろあったと思うんだけど。店長になって、一番変わったとこって何ですか。

タカハシ:苦労が絶えなくなった。

一同:(笑)。

タカハシ:それは間違いない。だってスタッフや売上の管理も責任をもたないと行けない、俺本当は店長気質じゃないのよ。何となく分かると思うけど。

松下:俺もう、そのイメージになっちゃった、今は。

タカハシ:いやだって、俺プロデューサーじゃん。本当は自由に、せめてお金とかのこと気にせずに面白いことだけしたいの、どっちかっていうと。

松下:だよね。本来はその作品とかその人間に対してコミットして、自分の意見を述べてくのが得意な人だなって。あとそれを進めていくためのアイデアを出すのが好きなんだろうなっていう。ブッキング一個に対しても、やっぱそういうモチベーションで当時から動いてるなっていう感じはしてたし。

タカハシ:そうだね。感じ取ってもらえてたのはうれしいな。
でも実は店長はいつでもやめてもいいと思ってるよ。

松下:あ、そう?!

タカハシ:うん。店長自体はね。別にやってくれる人がいるんだったらいつでもどうぞって思ってるんだけど。でも実は、みんなに支えてもらってるから、店自体は。そういう体制を作ってきて、今はもうぶっちゃけ俺がいなくても大丈夫、回るようになってるから。

松下:でも今、すっげー雰囲気いいなって思うけどな、月見ル。

タカハシ:本当?うれしいな。

松下:うん。ほんと。コロナ禍でも俺が個人的にライブオファーもらってるのは圧倒的に月見ルだった。それはもちろん、システムが明朗会計だからっていうのももちろんあるんだけど、箱の雰囲気やスタッフとの人間関係とかサイコーじゃん。そこ大事よやっぱ。

タカハシ:そうだよね。

松下:ライブの本数も今少なめだし、箱に入って「おはようございます」から、ライブ後演者だけでちょっと残って反省会的なことするじゃん、それで「お疲れ」って出るまでの感じっていうのは、昔よりすごく大事になった。スタッフもみんなそう言ってる。

タカハシ:そうなんだ。

松下:そういう意味で、月見ルって結構あの空間、終わったあとのあの1時間ぐらいの時間が、すげー俺にとって次への何か・・・なんだろうな。別にそこでまた音楽頑張ろうとか思うことかいう熱いやつではなくて、なんか音楽をやってんだよなっていう感じ?実感?ああやってみんなで座って話して。スタッフも演者も同じレベルで、もう一回みんなでライブを見に来てるみたいな。あれが俺楽しくてさ。

タカハシ:楽しい、楽しい。

松下:もちろんスケジュールによって、今日ちょっと先出なきゃとかあるけど、あれを共有できるっていうのは大事。あれ見て自分で反省して、ここのカメラはこう行きたかったなとか、カメラスタッフや照明さんだってそれ次にアップデートできるし、一緒に一個のライブ作ってる感じでるじゃんね。

タカハシ:そうだね、確かに。


松下:頑張っても良い雰囲気を作るってなかなかできない。結構最近、もうまじ腹立つライブハウスあって。出演者にはすげーいい顔するんだけど、スタッフとか企画してる人間に対してはもう返事もしねーようなPAやスタッフが小屋に付いてたりとか。悲しいよね。ジャズクラブでもたまにある。そんなの楽しくなくない?っていうか、みんなで良いもの作ればいいのに。全然理解できない。

タカハシ:なんだろうね、根本的な問題だよね、結局。だってうちらはやりたいことをやるためにあそこに集まってるわけで。

松下:そうそう。そこだよね。

タカハシ:やりたいやつしかいないから。変な話、仕事してるつもりで来てるっていうよりは、やっぱりみんなで遊んでる感覚のほうが近いと思うし。

松下:あとチャレンジできてるよね、それぞれが。新しいことやろうって。

タカハシ:常にチャレンジしてる。

松下:なんかすごい、本当の意味でアットホームだし、ちゃんとプロフェッショナルの仕事をみんながしてる感じがするから。俺の勘だけど、コーキさんが店長になって数年がたって、形になった何かがあるんじゃないかな。大変な時期だけどね。


【このコロナ禍になって改新が始まって、やればやるほどコンテンツが溜まっていく】


松下:このコロナ禍で、みんながやってる感出そうと必死になってるときに、割とマイペースにやってる人のほうがうまくいってるって思う時もある。自分が何をやりたいかっていうのをちゃんと見極めてやんないとさ。あの人がやってるから俺もやるっていうやり方だと、もう全然だめ、どんどん全てが遅れてっちゃう。後手後手になっちゃう。

タカハシ:そうだね。

松下:もちろんやらざるを得ないこともいっぱいあると思うけど。
ところで、今一番月見ルが取り組んでることって、何かあるんですか。

タカハシ:そうだね。今はぶっちゃけ、ちょうどすごい苦しい時期で。

松下:こないだ書いてたよね。さすがにこれが続くとって。

タカハシ:あれ本当にガチなんだよね。単純に、やりたいって人がやっぱ少ないなっていう感じ。いつもだったらいろんなバランスでやってるんだけど、こっちが「よし、やろうよ」って言って引っ張ってやるイベントと、お互いがやりたいから手を結んでやるイベントと、向こうだけがやりたくてうちを借りてくれるイベントと、3パターン大きく分かれるけど、その後者2つがほとんどなくて。今こっちから引っ張んないといけないような状況で、それってやっぱ体力使うじゃないですか。

松下:相当使うよね。

タカハシ:それをやっぱ毎日はできないから。でも俺この前、ゴールデンウィークすげーやったけど、あれで結果倒れちゃったよ(笑)。そんなことやっちゃうと、やっぱり体壊しちゃうと思って。

松下:あんなの体調崩しちゃうよ。

タカハシ:あれはちょっと難しかったね。でもそういう意味では、店長としてそこを何とかしようっていういろいろ策を練って実行してるとこだけど。でも強いて言うならやっぱり、このコロナ禍になって改新が始まって、やればやるほどコンテンツが溜まっていくっていう状況になったの。

松下:確かに。

タカハシ:それって今までなかったから、まずそのコンテンツをどう生かすかっていうところがうちらは全く無知で。あんまりやったことがなかったから。これからはそこに対して、もう少しアクションしていこうとは思ってて。

松下:確かに。アーカイブでアーカイブフェスみたいなの、やろうと思えばできるもんね。素材は残ってる。

タカハシ:できるね。全然できちゃうね。

松下:各アーティストのいいとこを選んでもらって。

タカハシ:でも、再放送ちゃんとやろうかなっていうふうにはなってて。やっぱり一個一個すごい大事に作ったイベントじゃない。だから、サブスクとかも考えたんだけど、一気にパーッと出してみたいのよりは、ちゃんと一個一個、番組としてアーカイブライブみたいな、再放送っていう形でやったほうが。

松下:それはいいんじゃない、やったほうが。

タカハシ:そうそう。これ誰も損しないし、それでまた見れるっていう喜びもあるし。今ちょうど案件も少なくなってるし、そういうのも。

松下:あと、一回見た人でも、もう一回見たいと思う。あんときのあの幸せをもう一回、みたいな。だって、いい映画って何度も見るじゃん。

タカハシ:そうだね。そういう頭の中でこの時期にこういうのをやってっていうのは、もうめっちゃいっぱいあって。


松下:そうなんだ。今後の面白い話なんかある?

タカハシ:正月にはいろんな再放送祭りみたいなものも妄想しているよ。あとは月見ルじゃないけどこの前7月10日に青山の能楽堂で装飾をバッチリいれて「緑光憩音」っていうイベントをやったのだけど、次回は1月末くらいに3日間帯でやろうと思ってて。

松下:よさそう、それは。

タカハシ:これ、前回は沖メイちゃんに装飾入ってもらって、ステージ上は上野雄次さんっていう華道家に苔と流木で装飾をしてもらって、本当に素晴らしい空間が作れたから、是非またやりたいと思ってて。

松下:いいね。ちゃんと画を押さえておきたいよね、そういうのこそね。

タカハシ:配信も予定してはいるんだけど、ネット環境があまり良くないからまた後日配信かな。

松下:配信生である必要なくない?っていう人も、結構今出てきてるよね。俺は生のほうがいいと思ってるけどどっちもありだよね。

タカハシ:そうだね。生である価値もまた別にあるし、後日やるならやっぱそれなりのクオリティーにする必要もあるしっていう感じで。

松下:でも月見ルだったら、伊澤一葉さんとの時に入ってくれているPAの佐久間さんとか、配信の音、超いいからね。まじでドラムの音とか考えてくれてるし。俺はあれで本当あの人は月見ルのことすごく分かってるなって感じた。あと最近の照明チームも余計なことをしないことによってすごく空間がよくなったりとか。濃淡がよく出てる気がします。やっぱすごいよね。チーム感出てきてるから。でもって先の構想やイベントがあるってのは、やっぱいいっすね。

タカハシ:こっち側発信のね、俺が考えてるっていうのはいっぱいあって。

松下:でもそれ1個やると、きっと「ああいうのやりたいんですよ」ってオファー来るし、「能楽堂でやりたいんで、全部そこのあれこれやってくれませんか」って言ったら、あのフェスやってる規模感のイベンターとは違う規模の、外注のイベントもたぶんできるようになっていくでしょ。それこそ、そのときコーキさんのやりたかったディレクター目線でのこととかもやれそうだし。

タカハシ:そうだね。

松下:面白いよね、そうなったらまた。

タカハシ:あと結構、海外との絡みとかも増えてきてて。海外の箱と一緒にやろうみたいなイベントとかも出てきてて。

松下:それはオンラインの?

タカハシ:これはリレー形式のイベントにしようと思ってて。ドイツなんだけど、ドイツで収録したライブを日本で生のライブと一緒に収録を流して、それをまた収録しといたものを、今度ドイツで生のライブと一緒に流して、そこで収録したものっていう、どんどんやってって。

松下:面白いね。それはぜひ呼んでください。

タカハシ:いいよね、それやろうよ。

松下:海外の、絶対そういうのは合ってそうだし。

タカハシ:そうだね。こんな時期だからやっぱり海外もコンテンツを求めてるし、何かこうやって作れるもので新たに広がってくものって、絶対あると思うから。その第一波で。

松下:いいっすね。


【知ってて乗り越える人と、知らないで終わっちゃう人は全然違うと思う】


松下:やっぱいろいろ面白いこと考えてんね。やっぱストップしないところがいいと思うよ、すごく。

タカハシ:俺たぶん、お店を保つことって、これ変な話、自分がやりたいことをやるためにお店を保ってるようなとこがあって。お店が傾いちゃうと、自分がやりたいことできなくなるから。結構それがあるよね。

松下:持ちつ持たれつ。モチベーション上げるための自分のやりたいことやるし、自分でやりたいことやらないとお店も倒れちゃうし。その逆も然りでしょ。

タカハシ:そうなんだよね。

松下:こんだけ補償してくれない国っていうのもね。海外と比べるなって言うけど、でもやっぱり、何だよって思うこといっぱいあるしさ。不要不急って言われちゃったら、もう何も言えなくなっちゃうし。

タカハシ:そうだね。

松下:俺ら食って、息して、寝てっていうのと同じように音楽やってるわけだから。そういう現場を何とか保つためにやってかなきゃいけない。

タカハシ:不要不急は、なんで不要と不急を一緒にしちゃったか。誰か分かんないけど(笑)。

松下:そうだね。


タカハシ:不要と不急は違うもんだから。音楽絶対必要だけど、不急かどうかっていうところ、いろいろあると思うからさ、その状況によって。だから別に一緒にする必要ないし、と思いつつ。

松下:俺もいろいろこれからまた提示できると思うし。それを誰かが見て「こういうのがやれるんだ、ここは」っていうのでオファーにつながってくと思うから。引き続きやってくしかないと思う。いいムーブメントが起きると信じて。

タカハシ:俺ここに来て、さっきちらっと話したけど、やっぱり新しい若手をもっともっと出て欲しいなっていうの、すごい思ってて。

松下:そこの話聞きたい、最後に。これからのやり方として。

タカハシ:やり方というか、思いだよね。今このコロナ禍で、コロナ禍になってバンドを初めて、バンド始めましたって言って、ライブを最初にやる前にコロナ禍になっちゃった人、たぶんいると思うのよ。

松下:そうだね、いっぱい。

タカハシ:その子たちは、このコロナの状況でしかライブを知らないわけでさ。でもそれって本当のライブの楽しさじゃないじゃん、絶対。

松下:そうだね。

タカハシ:今全部が潰されちゃってる状況だからさ。それを何とかこう、せっかく箱があるんだから使ってもらって、お膳立てをして本当にライブの楽しさみたいなのを感じてもらえるようなイベントが作りたいなと思って。

松下:乗り越えろとしか言いようがないけどね。耐えろって。一生続くわけじゃないから。モッシュするようなライブも絶対また戻ってくるし。

タカハシ:知ってて乗り越える人と、知らないで終わっちゃう人は全然違うと思うんだよね。20代前半とか、10代の後半とかのバンドとか、そこを狙った何かイベントができたらなと思ってて。

松下:そういう子らを集めてやったら面白そうだよね。すごい才能もあると思うし、今みんな家で全部できるわけだから、まったくゼロからでも。いろいろあるわけでさ、お互い頑張っていきましょう。

タカハシ:基本的には、だから変わらずっていうかさ。状況が状況でつらいけど、やることは変わらないんだよね、やっぱり。

松下:そうだね。そうじゃなきゃ、そこにいる意味ないしね。

タカハシ:そうなんだよ。そうじゃなきゃこんなことやってないし、そもそもって思うんだよね。

松下:かっこいいと思うことしかやりたくないからね。

タカハシ:そうだよね。

松下:動画作ってもやっぱ、すごいアーティスティックなものしかやりたくない。「今日はスティック早く振る方法を教えるね」みたいなやつ、俺にはできないよ。

タカハシ:(笑)

松下:だから変わらないんだよ、結局。変わろうとして無理してやっても、一瞬のものだと思うし。みんなずっと一生ステイホームしてるんだったら、それ仕事変えなきゃいけなくなるけど。それは月見ルもコーキさんもそうだと思うの。まあ、乗り越えつつ、若手の子たちの企画、是非やってほしいし。今回いろいろ話聞けてよかったです。初の、2人でゆっくり。すごい面白い話聞けました。ありがとうございました。

タカハシ:いえいえ(笑)。こちらこそ。ありがとう。


「あとがき」

ヤセイがバンド始めた頃2010年くらいかな?
ノルマ払って初めての対バン企画に出ましたよ。それが月見ル君想フ。
そんときはまだりょうじくんがブッカーやっててコーキさん担当ではなかったけど。
俺の記憶力ってほんとひどくって、楽しい思い出も辛い思いでもたくさんあるはずのこの箱での記憶ってやっぱポンタさんとの再会になっちゃうんだよね。鮮烈すぎて。あの瞬間は忘れらんない。自分のターニングポイントの一つだし。
確実にホームって言えるライブハウスである月見ル君想フ。今やその店長になったタカハシコーキ。いつも俺に面白い知らせを届けてくれる人。
サシで話すのはこれが初めて。大変な時期に快く対談オファー受けてくれてありがとう!これからも面白いこと続けていきたいね!

マサナオ


対談者:「青山月見ル君想フ」 タカハシコーキ
話し手:松下マサナオ
撮影/編集:BUNCA

撮影協力:カフェ灯菜 (https://cafeakarina.jp/) 東京都 港区 南青山 4-1-15 アルテカベルテプラザ 2F


対談者PROFILE
タカハシコーキ
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2009年月見ル君想フ入社、
2014年より店長に就任、以降ブッキングマネージャーも兼任する。
ワクワクする音楽体験をコンセプトに様々な企画を打ち出す。
主な企画に対面式2マンライブ「パラシュートセッション」、グランドピアノ2台で行われる「2PIANO4HANDS」音楽業界専用の英会話「すべての音楽人の為の英会話教室」などがある。
また英語圏のアーティストの招聘や国内ツアーを積極的に実施
主な招聘アーティストに、JOJO MAYER&NERVE / Knower / Louis Cole / Anomalie / JMSN / Rob Araujo / Jake Sherman / Charlie Lim / The Steve McQueens等
2020年2月に青山表参道エリアで行うサーキットフェスBIG ROMANTIC JAZZ FESTIVAL 2020を主催。2020年3月以降はコロナ禍でのライブハウス運営で、配信をいち早く取り入れ、6月に会場改装に踏み切り、全長5.5Mのクレーンカメラを店内に設置。自らクレーンを操作し、高い配信クオリティの実現と、会場の構造を活かす迫力のある空中映像が注目を集めている。

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Author Profile
松下マサナオ
長野県飯田市出身。
17歳でドラムを始め、大学卒業後に渡米し、Ralph Humphrey、Joe Porcaro 等に師事。
2008年帰国後はストレートジャズからパンクロックまで様々なジャンルで活動。
2009年に自身のバンド、Yasei Collective を結成。
2012年に FUJI ROCKFESTIVAL 出演、2013年にはグラミー賞にノミネートされた US
ジャムバンド、Kneebody との Wリリース・ライヴを実現。
2014年には日本を代表するドラマー、村上"PONTA"秀一氏率いる NEW PONTA BOX と異 色のツインドラ
ムセッションを行う。また同年、凛として時雨のドラマーであるピエール 中野氏のソロプロジェクト
『Chaotic VibesOrchestra』への参加。
2017年には、デビッド・ボウイ最後のドラマー、マーク・ジュリアナとツインドラムでの 共演、ベニー・
グレブやブレインフィーダーのルイス・コール等の来日公演でゲストアク トを務めるなど、海外との交流も
深い。
2018年、NYレコーディングによるヤセイコレクティブ5枚目のフルアルバム"statSment"を リリース。同年9
月にはリズム&ドラム・マガジン9月号の表紙を飾る。
2020年、Kid Fresino,BIGYUKI,Genevieve Artadi(Knower),Takutya Kuroda, YEAH BOiii COLE等豪華ゲストを
フィーチャーしたヤセイ結成10周年のデジタルリリースシングル絶 賛配信中。
Yasei Collective , Gentle Forest Jazz Band , HH&MM(日向秀和×松下マサナオ)
   二階堂和美、ハナレグミ、藤原さくら、東京03、バナナマン、seiho、iri、
cero、 mabanua、kid fresino、前野健太、NakamuraEmi、日向秀和(ストレイテナー)、Toku 他 多数
松下マサナオ オフィシャルtwitter @ChanmerYasei
松下マサナオ オフィシャルInstagram @masanaodrummer
松下マサナオ オフィシャルYouTubeチャンネル Masanao Matsushita
Yasei Collective オフィシャルサイト  http://yaseicollective.com
Yasei collective オフィシャル Twitter https://twitter.com/yaseicollective

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