クラウドファンディング成功者インタビュー -もらすとしずむ-- BUNCA -

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2022年11月17日~12月19日まで開催し、見事目標金額達成を遂げたプロジェクト「入場無料のライブパーティー『よあそびくらぶ×(かける)』を定期的に開催したい!」

今回はそのプロジェクト主催の『もらすとしずむ』のボーカルのRina Q(リナ・キュー)さんと作詞作曲家の10(テン)さんお二人に、今回のクラウドファンディングに関してインタビューをさせていただきました。

クラウドファンディングが成功し実現したイベント「入場無料のライブパーティー『よあそびくらぶ×(かける)』」のレポートもございますので、ぜひご拝読ください!


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―――よろしくお願いします!
まず、なぜ今回クラウドファンディングを開催しようと思ったのか?きっかけや理由を教えてください。



もらすとしずむ・10(以下:10):今回、ライブ企画のためにクラウドファンディングしようと思い至ったのは「今よりも一段ステップアップしたい」という漠然とした“ポジティブな欲”と「今よりも一段ステップアップする」という“現実的な目標”の両面が重なったからです。

平たくいうとお金を軽視出来なかったと言いますか。

当然『したい=欲』というものは表現する上で常々下地になくてはならないもので、
これはクラウドファンディング以前に企画を立ち上げるエネルギーそのものです。これが前提としてなければ、いくらしっかりとした目標を立てても中身の薄い空虚な数字の羅列になってしまいます。

一方で『する=目標』という現実面については別で。特に私の周りのアマチュアで活動するミュージシャンの多くは、諸経費は欲に任せて蔑ろにしがちに思えます。コレは後の気づきとして得た部分でも出てくるのですが、私の体感として「アマチュアのミュージシャンやバンドマンがイベント企画をする上で予算を見積もる際に結構見落としがち、もしくは見て見ぬふりをするお金」と正面から向き合うにはクラウドファンディングが最適でした。

クラウドファンディングすることにより、例えば会場使用料や出演者のギャラ、イベント物販の制作費だけでなく、スタジオ練習のスタジオレンタル代や交通費、駐車場代、音楽の機材購入費用などを計上する事に向き合いやすくなります。



もらすとしずむ・Rina Q(以下:Rina Q):10と同意見。
2人の意見が一致し今回開催を決めました。
昔ほどクラウドファンディングに対し抵抗がなくなってきた今だからこそ出来る新しい取り組みであり、なおかつ今後この形がベーシックになったらより活動や表現の幅が広がるのではないかと思いました。





―――クラウドファンディングで資金を集めるということに関して、メンバーや周りの反応はどうでしたか?

10:周りのミュージシャンは否定的な人が多い印象でした。今回サポートしてくれた仲間も一部、正直イマイチ賛同しきれていない印象を受けました。ただサポートだから文句は言わせませんが笑

複数のミュージシャンには「クラファンで得た資金をスタジオ練習の費用に充てる」というと「え!?そんなことに使うの??」と驚かれたりもしました。

これは私も含めてですが、私が知る範囲のアマチュアで活動する多くのバンドマンやミュージシャンは自分が幾ら音楽に出資しているかに無頓着ですし、必要経費だからといってサブスクに課金するかの如く無頓着でいることがロック的な美学だとすら思っている人が私の周りに多いです。そういう方は「クラファンするなら死んだ方がマシ」くらいに思っているとすら感じます。

「やりたいことをやるのだから、自分の身銭を削ってやるのが当たり前」ということを言いたい人が少なくない界隈です。じゃあチケット代取らずに入場させるべきだし、CDやグッズもお金を取らずにフリーで配ればいいけどそれはやっていない。結局やっていることは物販を売ることと然程変わらないのに、クラファンという見慣れない形式へのアレルギーを拗らせているようにも思います。寧ろ音楽コンテンツへの出資という意味合いではクラファンの方が直接的で誠実な気すらします。

そういう意味では我々のファンは概ね喜んで戴きました。我々のファンの多くは、こちらが提示する新しい価値観に対して柔軟に捉えてくれる人が多く、ある意味固定観念が強くないのかもしれません。


Rina Q:メンバーはお互い前向きでした。
周りにはいちいち聞いてないです。




―――クラウドファンディングの準備で大変だったことや楽しかったことがあれば教えてください。

10:先ずBUNCAさんにお礼を申し上げたいのですが、右も左もわからない我々もらすとしずむというバンドを導いてくださいました。そのおかげでクラウドファンディングのテキストや、リターンの価格設定や何をリターンにすれば良いのかなどがしっかりと見据えられたと思います。

その上で大変だったことは前例のないことへの挑戦だったので、何が正解かわからない中、ある意味で「自分たちのやっていることに対して信じ続けること」が一番大変だったかも知れません。ここが信じられないとブレるし、他人の批評に必要以上に左右されてしまいますから。

楽しかったことはリターンのアイデアが閃いた時ですね。


Rina Q:そもそもいくらかかるのか。
何にどれだけの経費を当てるか、などの予算を割り出すことが大変でした。
まだ〈キャスティング〉〈リターン内容〉〈スタジオ費用〉〈会場費〉などの金額が漠然とした状態からの目標額設定は、
少し間違えれば赤字だし、
予想以上に手元に余れば信用を失う。


何にどれだけ使ったかをちゃんと開示していこうという方向だったので、
数字の設定はなかなかシビアでした。





―――このクラウドファンディングを経て、得られたものや気づいたこととかあれば教えてください。

10:先ず得られたものは企画開催への資金に他なりませんが(笑)、その資金調達の成功による自信も同時に得られました。間違ってはいないという自信ですね。

気づきも似たような話ですが、あまり根拠のない批判的な意見に飲み込まれないよう冷静な眼差しを向けることで、自分たちは間違ってはいないという気づきがありました。逆に言えばそれまでの正解から「間違えてみることで新しい正解が生まれた」という事でもあります。


Rina Q:得られたものは大きいと思います。
表現をするにおいて大きな壁であった〈先立つもの〉が文字通り先にあったことはかなり安心につながりました。
その事で、表現するにおいて本当に我々がやるべき事に対して集中して取り組めたし、
余計な事で頭を悩ませずにすみました。
我々のクラウドファンディングに関しては今後も続けてこれも一つの形として、
イベント界隈のベーシックにしていきたいという想いがあるので、
これをいかに支援してくれる人にも、主催側にも負担が少なく続けていけるか、は大きな課題となりました。





―――最後にこれからクラウドファンディングに挑戦する方々へ一言お願いいたします!

10:自分と他人を信じる事が大切だと思います。間違えてはならないのは他人に期待する事と、他人を信じる事とは違います。他人への期待は自分の価値観を押し付ける事になりかねません。他人を信じる事とは、他人に安易な期待をせず、しっかりと他者に目を向ける事だと思います。

この人なら、あの人ならこの企画をどう捉えるだろう。そんな思いを巡らせながら企画の趣旨、金額設定、リターン設定など細部に気を配りながら想像するのがクラウドファンディングの醍醐味だと思います。

是非じっくり取り組んで下さい!

Rina Q:私は今回のを合わせると、計5.6回ほどのクラウドファンディングに挑戦し、
どれもありがたい事に目標額を達成して、やりたかった事を実現させてきました。

内容はどれもバラバラでしたがただ一つ「絶対に成功させたい!」という想いは変わりませんでした。

挑戦の形に間違いも正解もないと思っています。
挑戦を笑ったり否定する人たちはどんな場所にも必ずいますが、
ネガティブな意見に流されず、自分の気持ちを大切にして、その目標に近付ける1つの方法として「クラウドファンディングをしてみる」というのはアリだと思います。

ファンの方達と目標額目指して一緒に頑張って絆を深めるなど、資金以外に得られるものも大きいかと思います。




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クラウドファンディング成功により実現した「入場無料のライブパーティー『よあそびくらぶ×(かける)』」ライブレポートはこちらから!



Rina Q, 10
photo by uge

もらすとしずむ
Twitter:https://twitter.com/Morastocisum
Instagram:https://www.instagram.com/morastocisum/







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