人生に飽きたなら明日から秋葉原- らっぷびと -

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「日本一ラップのうまいニート」でおなじみのオタク×ラッパーのらっぷびとさんがBUNCAコラムに登場!けものフレンズやケンガンアシュラなどと言った有名アニメ作品の楽曲参加や、beatmania、ポップンミュージックといったゲームの楽曲参加等、様々な活躍をしている「らっぷびと」。その始まりを執筆していただきました!ぜひ最後までご拝読ください。

2002年。テレビで観るオリコンチャートに、ラップグループの曲が何作もチャートインするようになっていった中学時代。

そんな折、クラスの中で唯一、YOU THE ROCK★を聞いていた同級生のサイツー。
「あべっち日本語ラップ好きなの?」と言われ、彼に借りたNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのCDをキッカケにラップという世界にのめり込んでいったのが、2007年に突如らっぷびとという奇妙な名前を名乗ることになる、出席番号一番のあべっちです。

(ちなみに同学年で2人斉藤がいたので二番目の斉藤という意味で彼はサイツーというあだ名でした。子供は無慈悲です。)

4年後の2006年。”20年近く血液型がB型だと思ってたのに実はA型だった”でお馴染み(?)な友人が勧めてきたのは「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメでした。
第1話が30分まるまる説明も無しのとんでも展開で、思春期のらっぷびとには衝撃的な出会い。
また、”国道沿いの待ち合わせをジェイソンの仮面をつけて待っていた”でお馴染み(?)の別の友人からは、同時期に「苺ましまろ」という漫画を勧められました。
『かわいいは正義』というパンチラインとともに繰り広げられるシュールなギャグに一気に虜になりつつ、作中の保護者役である伸姉なるキャラへの憧れから、らっぷびとは非喫煙者なのに伸姉と同じマイルドセブンをお守りのように持つという奇行に走ります。

気付くとそこには、目的がなくても月に1度は秋葉原に遊びに行くガチオタクでもあり、毎月クラブのイベントにレギュラー出演するラッパーというキメラが爆誕したのです。

(ちなみに現在、オタク文化を教えてくれた友人は2人ともVTuberになってます。人生は不思議です。)





好きなことを好きなように行動、選択していくと、自然と面白いほど似たような人種が集まります。
ファッションはゴリゴリのB-BOYなのに同人誌片手にライブするヤツもいたり(ヤバい)、
長門有希が好きすぎて、実際にその場に一緒にいるかのように喋るヤツもいたり(ヤバい)、
オタク且つラップが好きな人はインターネットを介して自然とオンラインでもオフラインでも集まるようになっていました。
オフラインといえば、オタクなラッパーたちでカラオケオフ会が開催された時、斜に構えて何故か途中合流だったらっぷびとは、もうある程度関係値が出来上がってるみんなの輪に入れず、そのまま限界ギリギリまで人見知りを発揮して、ほぼ誰とも喋らず愛想笑いで数時間を過ごし逃げるように帰ったという黒歴史があります。ああああ心臓が痛い…。

ねえ、オタクって漏れなく自分みたいな陰の人たちじゃないんですか?
コミュニケーション取れる明るいタイプの人もいるなんて聞いてない。
左心室が痛い。

そんな悲しい悲しい話はさておき、00年代当時はオタクというステータスはマイナスでしか無かったし、蔑称のような扱いさえ受けていて、かたやラッパーサイドもDQN(ドキュン)と言われ、怖い人という印象で括られるか、ヨーチェケラッチョで煽られるという風潮も残ってました。
双方がまるで真逆に見える界隈だったのもあり、お互いに水と油のような恐ろしい空気感だったのを覚えてます。

だからこそ、よりマイノリティーな”オタク文化もHIPHOP文化も両方とも好きな人”は肩身の狭さを感じつつも身を寄せ合うように繋がりを求めたんじゃないでしょうか。







そんな精神的おしくらまんじゅうの時代に僕らを救ってくれたのが、2ちゃんねるの(現5ちゃんねる)「ニュース速報(VIP)板」、そして「ニコニコ動画」でした。

外では輝けないオタクたちが自分たちの面白を追求して輝ける場所。
アニメ エヴァンゲリオン最終回のようにみんなが暖かく迎え入れてくれてる。
ルールを守りながらネタをネタとして楽しんでる空気感が居心地よかったんですよね。
そういった場所やインターネットというものが当時無かったと考えるとゾッとします。

普段、あがり症で日常では前に出て目立とうとなんてしてこなかった自分が、面白いかもと思う事だけは頭の中にあって、それを吐き出せないでいたのに。
その場所では見えない誰かが背中を押してくれているような気がして、気付けば自然とアニメソングを使用して楽曲を作ってはスレッドを立てていました。

それが、らっぷびと名義での処女作「涼宮ハルヒの憂鬱」の劇中歌含む3曲のラップアレンジを2ちゃんねるに投稿した経緯です。投稿の瞬間の手の震えと緊張は人生でもトップレベルでした。
ただ不安や緊張とは裏腹に、ありがたくも一定の評価を得た時の安堵感は何にも代え難いものがあって、当時スレッドにいたVIPPERたちのおかげで、承認欲求を満たされたラッパーが、ニコニコ動画にも進出し、いつの間にかCDデビューし、今でも音楽をやれています。




本当に感謝は尽きません。
あの時のVIPPER達、ニコ厨達、みんなありがとう。
みんなの作ってくれていた空気が、らっぷびとというキメラを生み出してくれたんです。

好きなものは好きなままで大丈夫。

時が経っても好きでいられる事が重要なんだと思います。

10年以上経っても自発的に好きと言えるモノがある人。
そんな素敵な人になりたいし、そんな素敵な人の”好き”でありたい。

2022年現在では、オタクは蔑称どころかポジティブイメージになっていて、ヒップホップの世間への評価や認知度は異常な広がりを見せてます。
オタクはキモいとか、フレミングの法則でヨーチェケラッチョでイジられるとか、そんな時代は過ぎ去ったんだ!

00年代の人間からしたら信じられないほど幸せな光景が”今”です。
だからこそ、埋もれないように大きな声で。




『ラップが好きなオタクでよかったー!!!』 











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Author Profile
らっぷびと
日本一ラップの上手いニート。
1987年生まれ。ORIGAMI Ent. 副代表。
ラップ作詞や歌唱、イベント主催など。

主な参加作品
アニメ|「けものフレンズ2」「ケンガンアシュラ」「自縛少年花子くん」
ゲーム|「beatmania」「ポップンミュージック」「グルーヴコースター」
所属 (魂音泉 / UNEEK ARTS / ROMPIN CREW / ZEIIITA)


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