No Shortcuts Vol.6- 松下マサナオ -

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松下マサナオ×岸本 純一(ライブハウスTSUTAYA O-EAST店長)

松下:No Shortcuts Vol,6、今回のゲストはTSUTAYA O-EASTの店長、「岸本 純一」さんです。よろしくお願いします!

岸本:よろしくお願いします!

【大阪から出れればどこでも良かった】

松下:まず、岸本さんがどうしてこの業界に入ったのか、Oグループのライブハウスで働くようになったきっかけはなんですか? そもそもOグループに入る前は?

岸本:もともと僕は大阪に住んでいて、バンドをやってたんですよ。で、色々な環境の変化があって……とにかく大阪から出たいと思ってました。大阪から出れればどこでも良かったんですけど、そんな中東京のO-NESTが働き手を探してたので東京に来ました。

松下:もともとバンドとかやってて、ツアーとかでOグループのライブハウスに出てたりしたんですか?

岸本:出てないです! バンドはOグループとは関係なくて、僕の父親がライブハウスを経営していて、そのつながりでやっていました。

松下:ご兄弟もいらっしゃるんでしたっけ?

岸本:兄弟は弟がいて、今は大阪のライブハウスのBIG CATの経営をしています。

松下:凄いですね(笑) 兄弟でライブハウスを経営しているのなんて中々いないんじゃないですか?

岸本:いないと思います。たまに弟宛てのメールが僕に来るんですよね(笑) とにかくそういう経緯があってO-NESTで働くようになって、現場(ステージ周り)から始めました。

松下:いわゆるセッティングとかやったり。

岸本:そうです。

松下:店長になるまでどのくらいかかりました?

岸本:O-NESTに来て1年後に。

松下:早いな!(笑)

岸本:前の店長が辞めるって急に言い出して。

松下:他にずっとやってきた人たち居るでしょ(笑)

岸本:いや、そんなにいなくて。でも初め断ったんですよ。まだ東京に来て1年で、友達もそんな居ないし。

松下:まだ電車の乗り換えすらあまり分からないしって感じですよね(笑)

岸本:そうそう。それで無理ですよって言ったんだけど、「もうお前しかいないから」って言われて。

松下:凄くオールドスクールな口説き文句ですね、お前しかいないからって(笑)

岸本:そのあとに「知りませんよ?」って言って引き受けました。

松下:O-NESTは何年務めたんですか?

岸本:O-NESTは19年くらいですね。

松下:すげ~。もう大体のバンドは観てきたんじゃないですか?

岸本:周期的には3周から4周はしてると思います。

松下:3世代分くらいはみてきてるんですね。いいな~! それで、O-NESTからO-EASTに移ったのは去年でしたっけ?

岸本:去年の2月です。

松下:しばらく俺もサポート含めO-NESTには出演していなくて。O-NESTでは最近アイドル枠が多いですよね。

岸本:増えてますね。

松下:隣にある7th FLOORは出てたりしてたんですけどO-NESTはだいぶご無沙汰で、ところが4年くらい前に道玄坂歩いてたら岸本さんと久しぶりに会ったんですよね。「お久しぶりっす」なんて話して、それこそこんな情勢になる全然前の話で。その時に今何やってるんですかって聞いたら、今度どうなるか分からないけどもしかしたら……みたいな。その流れで、また何かあったらよろしくお願いしますっていう話をしましたよね。
僕はO-NESTの鈴木くんとも仲が良くて、彼と岸本さんの話をたまにしたりとかもしてました。

岸本:ぜひよろしくお願いします、

松下:実はこの間町田のThe Play Houseっていう老舗のライブハウスで、京都の大学の先生たちを交えてコロナがある状態でライブハウスがこれからどうやっていくかっていうモデルプランを見せるイベントに、何故かあのラインナップの中にフリージャズで出る事になって(笑)
イベントが終わったら岸本さんがいて、「お~お久しぶりっす! これから焼き肉食べに行きましょう!」って流れになってO-EASTの人達4人くらいで飯食いに行きましたよね。そこで「No Shortcuts」という連載を(BUNCAで)やってるんですけどよかったらどうですかって話になって。

岸本:うんうん(笑)

松下:定期的に何かのタイミングで会うことが多いけど、今回初めてこんなゆっくり話せたなって。すげー嬉しいです。
O-EASTは、コロナで自粛になる直前ぐらいにベーシストの日向秀和さんを中心としたぴあさんのイベントの「HINA-MATSURI 2020」の振り替え公演の配信ライブをやったのが最後ですね。その時は岸本さんには会えなかったですけど。

岸本:会えなかったね。まさか町田で会うとは思わなかった(笑)

【やるからには、絶対にやめない】

岸本:みんなによく言われるのは、毎日同じところでやっててよく飽きないよねって言われる。3~4年でもう飽きてるけど。(笑)

――あんまり聞いたことないですよね。そんな長期間やられている方って。

岸本:やるからには、何言われたって絶対にやめないと思ってる。ライブハウスの人ってわりと流動的なブッキングマンで。

――20年は初めて聞いたかも知れないです。

岸本:もっと居ますよ! 重鎮は(笑) 下北沢Queの店長、二位さんとか。もう30年近くやってるんじゃないですか?

松下:岸本さんのターニングポイントというか……今までの20年間の中で、ここで人生変わったということはありますか?

岸本:うーん。一番人生が変わったっていうのはやっぱり1年前のO-EASTへの異動ですね。でも、20年間ずっと同じ場所(O-NEST)にいたけど同じことは殆どしてこなかったつもりではいて。だから20年間続けられたかな。ちょいちょい変化させていくターニングポイントがいろんなとこあったと思う。でも、自分が初めて海外のバンドを招聘したとき……

松下:どんなバンドですか?

岸本:今はもう活動してないんですけど、イギリスのHOODっていうバンド。そのバンドは当時会社が小さかった時にホステスが流通してて、好きだったから呼びました。

松下:それって何年前ですか?

岸本:もう15年も前。O-NEST時代。O-NESTでもっと海外のアーティストをやりたいと思って自分でブッキングした。結果的にO-NESTの2daysがSOLDして、やれるなって確信した。自分で空港まで迎えに行って、ホテル代ケチってホテル取らずに知り合いのマンションの一室借りたんだけど、それが白楽(神奈川県)で凄く遠くて(笑)

松下:まじすか。逆に大変っていう(笑)

岸本:そこから始まったかもしれないですね。自分の中で、もっともっと海外のバンドを招聘していきたいって思うようになった。

松下:当時そういうの少なかったですよね。O-NESTって何かを起こしますよね。

――僕のイメージもカルチャーを発信されてる場所ってイメージです。


松下:イベントが面白い。ジャンルに縛られないでブッキング次第というイメージ。

岸本:あんまりカルチャーを発信しようっていう意識を殆どしたことがなくて。他でやれるところがあれば他でやったほうがいいんじゃないですか? っていうスタイルだったから、逆に普通のライブハウスが全く理解してもらえなかったバンド達が来たら、おいでおいで! って感じでどんどん集まって来た(笑) その中からみんなで切磋琢磨して色々な出会いがあった。

【コロナ渦で、何ができるか?】

松下:コロナ渦の中一番最初に叩かれた大阪のライブハウスの件なんかあったけど、未だに夜の街って紐付けられてるって感じがする。俺なんて自分の仕事はいつどうなるか分からないって所では水商売だと思ってるし。事故って腕なくなっちゃったら制作しかできないし。
そういうのとはちょっと違うけど、岸本さんも今めちゃくちゃ過酷な状況に置かれてるじゃないですか。しかも、都内の中でもかなりでかいライブハウスだし。それって本来なら武器だけど今はめちゃくちゃ大変だと思うんですよ。ぶっちゃけ何が一番大変なのか、それは打開できるのかなど、何かプランはあるんですか?

岸本:今ライブをやりたいという人たちは、お客さんがありきだから、最近よく聞かれるのは「今何人入れていいんですか?」ってキャパを聞かれる。今のガイドラインでお客さんとの距離を1m空けるってなるとO-EASTとしては320人くらいですね。4分の1。やっぱそこがつらい。
でもそれを言っていてもいつ終わるか分からないし、ライブハウスも考え方を変えて何か新しい形として打ち出して行けるようにと思って今は勉強してる。一番は配信だと思うんですけど、昔だったら配信なんてあんまりなかったのに、今回のコロナをきっかけにみんなそれが普通になってる。スピードがすごく早かった。いずれはそうなってたかもしれないけど。
それに対して更にライブハウスとしてひとつ考え方を持てたらいいなっていう挑戦的な気持ち。ピンチをチャンスに変えるじゃないですけど、せっかく東京にはいろんな人がいるし、渋谷には色んなITの人たちもいる。アナログだったライブハウスと、ITのデジタルをもっと組み合わせて、いずれ海外とかにも進出していける何かになれればいいなと思う。


松下:日本から海外ってすごく難しい。以外に広いのに狭い。一定数の視聴が見込めるような海外向けの番組を1個作ったら凄く良いと思う。今日の日本で行われたライブとかを、凄くアングラなやつから色んなジャンルを全部取り仕切って、視聴率取ったらいいと思う。やってはいるんだろうけど。

岸本:そういう番組はいい感じにきれいにまとめなきゃいけないから、それをインディーズとかいろいろなのを考慮して努力するって人はいないかもしれない。

松下:配信に関してはメジャーもインディーズも関係ないじゃないですか。キャパも。世界に広がればここで今すごく広がったらゼロからするお金が生まれるわけだし。でも、やる人がいればなとは思うけど自分じゃできない。

松下:例えば、ニューヨークのVILLAGE VANGUARDっていうジャズのライブハウスに留学してきたドラマーの同期がトップのバーテンやってて。最近ライブできないってなった時にオンラインで、アーカイブ無しでその日だけのジャズやって。時差とかも関係なし(笑) やっぱVILLAGE VANGUARDでのライブってみんな見たいじゃないですか。
ジャズクラブも経営大変だし、日本とか特にそういうその日だけのジャズの配信をやったらいいと思ったんだけど、配信足も遅いし、というよりお金かかるからやってるところは少ないですね。ちっちゃい日本のジャズがこんなにたくさん出てきてるのに勿体ない。
とはいえ、配信のこと云々行ってる時点で遅いと思うし、次何やるかっていうのは動き始めてる。それに、海外に出していくっていうのを考えなきゃいけない。

【配信ライブはずっと続く?】

岸本:配信ってライブに来れる人は見ないかもしれないから、ライブ来れない人たちにどれくらいアピールできないとビジネスとしては大変なのかなって思う。

松下:例えばこの渋谷の最高な立地の中で店長としての辛さもあると思うけど、配信っていうのが出てくるとアーティスト側からしてもツアーが凄くしにくくなるじゃないですか。 一時期考えてたのは、地方に行って配信して、来たい人は観に来てというのを考えてる。けど予算がうまいことハマんなかったりライブハウスが無くなったりとかがあった。

岸本:東京にアーティストが住んでることが多いから東京で、仲の良いライブハウス同士でパブリックビューイング的なものの試みはちょこっとずつやってるよね。今はそれを各場所で持ちまわって、企画をやったりはしてる。

松下:でもそれって、配信とそんな変わらないじゃないですか。俺が思ってたのはそのライブハウスでパブリックビューイングなり、配信をやるんだけど、そこのライブハウスからしかチケットを買えないというやり方。演奏も撮り溜めて一度に公開するんじゃなくて、一回一回ライブハウスで演奏してやるとか、もしくはライブは一回だけなんだけど「このライブハウスでやりました」って掲げて作品として作って、そのライブハウスでしかチケット買えないことにして、アーカイブも一切残さない方法とかないのかなって。なんか、そのほうが健全じゃないですか?

岸本:健全だね。

松下:売れるか分からないけど、それでもう行かないでもツアーですよ。俺はアイデアいっぱい出してやらない人間なんだけど(笑)

岸本:(笑)

松下:1本収録してそれをツアーとしてやるって感じにして、いつもやってたライブハウスでしかチケットは買えないことにする。そこで買えばアーカイブ見れるようにしてもいいかもしれないね。

岸本:ライブハウス同士でそれをやるのはなかなか難しいから、アーティストなり事務所なり、売るサイトを作ってもらってライブハウスとしてプラットフォーム決済サービス的なのをできるようになれるといいですね。

松下:ぶっちゃけこれずっと続くんだから、なんかやらないとさ。ツアーも打ちたいし。物販もオンラインでやればできるわけだし。

岸本:それはほんとめちゃくちゃ愛が溢れてるね。

松下:だって関係ないんだもんね(笑) 東京のアーティストで配信ライブを1発ドーンってやって、億稼いでるメジャーバンドもいるじゃん。それもある意味愛ですよね。あれだけメジャーな人でも配信ライブをやるんだっていうそこの凄さがある。

――ガイドラインとか今後の行き先が結構不安定だからみんな手出しづらいのかなって思います。例えばいきなりガイドライン変わってライブできるようになったらそっちにかけていったほうがいいし。

松下:でも配信ライブはずっと続くと思いますよ。だって、見に来れない人が見れるっていうのはこの先変わんないわけだし。僕も配信で観れるんだったらこのライブみたいなーっていうライブはある。
キャンセルするときにオンラインに差し替えられるとかもいいかも。そしたらキャンセル代払わなくていいし、ほんとバンド大好きな人からすると放送事故的なものが見たいっていう人も多いから、アーカイブでならそれが見れるっていうメリットもある。

岸本:僕も含めお客さんを入れたときのドリンク代でずっと商売してきた人たちが、デジタルで頭を変換しないといけないから……そうすると即効性でコロナの終息で通常通りにはやく戻れっていうモードになってしまう。

松下:みんな忘れちゃいけないのは、ライブハウスだからバンドでライブしてお金儲けしてるっていう風に思うかもしれないけど、飲食店と一緒でドリンク代ってめちゃくちゃ大事だから、現場に人が来てないっていうのはそれだけ痛いっすよね。

岸本:うん。

松下:だからバー営業してるライブハウスは強い。この間初めてライブした、下北沢に新しくできたFlowers Loftというライブハウスは、入り口は完全にバーで普通に飲み屋って感じ。形態を変えているところもあればライブハウスだけでやってるところもある。

――今後の一番近しい課題ではある気がしますね。ライブハウスとかイベントホールなんかは、配信でどうやってマネタイズしてくってことが難しいところなのかなって思います。
付加価値的にライブハウスに配信っていうのは定着化するのは間違いないと思います。
けど、独立するとなると以前のライブハウスとお仕事とはちょっと種類が違うものになっていくから、そういう角度で考えなきゃいけないんで、ちょっと時間かかりそうですね。

松下:そうだね。あと、僕みたいに夢見がちなこと言ってる人がいるから、それは「無理です。」って言ってほしくないですね。今こそアイデアとして深くしまっているけど、稼ぎたくてやってるわけじゃないからこういうのやったらあの人は呼ぶとか考えるのは、僕らもちょっと楽しくなる。どれだけ楽しいかって考えて生きて来れちゃったからよくないんだけど(笑)

【O-EASTのこれから】

松下:今一番岸本さんの中で、ライブハウスの店長として希望があってやってこうと思ってることはあるんですか?
自分の為にも、スタッフの為にも。大きい枠の音楽シーンにおいてO-EASTってそういうのの中心なイメージ。一括するとカルチャーを作ったところだし、一括すると悪い遊びができるところじゃん。それがこれからどうなっていくのか気になりますね。

岸本:そうですね……。デジタル化はできるだけやりたいなと思ってますね。できるものはすべて!
配信のシステムも、人件費とかかかるじゃないですか。だから如何にデジタルを使って簡単にしていかないとと思ってる。1配信に対する労力がかかりすぎてるから、みんなもう手を出せないってところがあると思う。
一番いいなと思うのは、いかに無料で見てもらえるように、制作側が努力するかっていうところじゃないと広がっていかないんじゃないかと思う。

松下:配信って広告とか取るんですか?

岸本:そのマネタイズが見えてないんですけど、その前に配信に対するクオリティーを下げないでコストを下げれるかっていうのも考えなければいけないと思ってる。
その為に広告があったりするのかもしれないですね。


松下:配信ライブの最初の10分とか押したりするからイベントの画像とかを広告で使えたりしたらいいかもしれないですね。

岸本:実際、通常のドリンクもメーカーとかのスポンサーについてたりするライブハウスもある。それを配信に対してスポンサーが付いてたりしても良いと思うし、そうするとコストが下げれてライブの配信でお客さんを獲得するっていうのができるかもしれない。
今は基本お金がかかってしまうから、よっぽどのことが無い限り有料チケットになるから無料で配信見て貰って、よかったら課金してもらってとか…気軽な感じを全ライブハウスができるようになればいいかなと。そのためにはデジタルをみんなが理解しなきゃいけない。


松下:定着しないといけない部分もありますよね。

岸本:うん。それだったらお客さんを入れてもハイブリッドとして新しいビジネスでパフォーマーの人たちにも還元できる。

松下:この情勢でO-EASTって300人なんだって思いました。相当しんどいっすよね。いろんなライブハウスにトイレでゲロ吐かないでくださいって書いてあるのが懐かしく感じますよ。デジタルとの共存してを浸透させる役割をだれがやるのかって思います。

岸本:他のやつと比べると遅れてるじゃない? ライブハウスはそのアナログの良い部分も接客業っていう部分もあるから。だけど普通のカフェとかレストランでさえ、iPadとかでやってるわけでしょ? O-EASTとかだと紙で在庫チェックしてるのよ。FAXで酒屋に注文送ってる。
その点ではクラブの方がかなり進んでると思う。みんな電子機器でやってるみたいだし。それって今何人入ってるかっていうのがすぐわかるけど、O-EASTは何人入ってるか確認するのはドリンクチケットが何枚出てるかっていうところで判断する。


松下:(笑)

岸本:働いている人達のマインドがもうちょっと変わってこないとなかなかね。

――それは意識の問題ですか?

岸本:そうです。なにがスタンダードかっていうところを変えていかないと、難しいかなと。配信だけじゃないですね。デジタル化できる部分って。もっともっと戦略練って、本当は色々やらないといけないね。

松下:それによって仕事失った人達も沢山いるよね。こんなに人いらなくね? ってなって人と接しなくなるわけだから、バーカウンターもそうなっちゃう。

岸本:極論、自動販売機バーッて置いて入り口でコイン配ってそれでお客さんが買っていけるくらいな感じ。あとはさっき言ったようにバーの延長にライブがありますっていうスタイルだったら、全然アナログでもいいし。でもそういうとこほど内容が詰まってるわけだから、配信しても価値があるかもしれないし。

松下:難しいね。チャラつけないな、ほんと(笑)
この現状で人それぞれ色々な考えがあるんだなと思いますね。めちゃくちゃガチになってる人もいるし、今までのやり方を変えるわけではないけどデジタルとの共存っていうので自分のアイデアを上乗せしてなにかいいものを作っていく人も、終わるのを待つって人も、色んなタイプの人がいるけど、ライブハウスって主に選べない状況じゃないですか。共存はマストだし。

【その人のやり方で、コロナを乗り越える】

――松下さんってこの状況になってから、有観客のライブってしました?

松下:何本かやりました。

――どうでした?

松下:正直に話すと、俺もお酒飲むしお客さんも飲むじゃないですか。キャパが100人以下くらいのライブハウスでしかやってないですけど……飲むと超適当になる。

一同:(笑)

松下:本当に、酒ってクスリより怖い。最初はアルコールしたりして対策はするんですけど、結構ぐちゃぐちゃになって握手求められたら断れないじゃん!(笑) 先輩のミュージシャンとかもそうなので、僕らもだんだんこれでいいのか! ってなっちゃって。打ち上げ行くかみたいな流れになりつつあるから、そこらへんは自分らで規制しないと。しっかりケアはしてるけど、もしなっちゃったら他の現場に凄く迷惑をかけてしまうじゃん。
そういうのがあるから、オンラインでやれることはオンラインでやるし、ライブハウスで有観客でやるときもある。
近々ジャズ系とかのセッションで、大阪で3日間やるライブがあるんですよ。 Nothing’s Carved In Stoneの日向秀和さんがギターで、最終日はSOIL&”PIMP”SESSIONSのタブゾンビさんが来て。その時も気を付ける。新幹線、タクシー、自分で身を守る。だから、それぞれの立場でそれぞれのケアをしつつ、でも新しい事トライしていかないと。

松下:あとみんなちょっと変だなって思うことがあって、取り残されるとかおいて行かれる感がすごいあるって言うんだけど、その人のやり方でこの状態を乗り越えられればいいと思うし、ずっと続くけど一生は続かないからさ、と思う。あと、その仕事が天職でもなんでもいいけどずっとやれるわけじゃないじゃん。辞めたければ辞めればいいし、転職したければ転職したらいい。20代半ばから同じ職業をやってる人(岸本さん)の前でいうことじゃないですけど(笑)
本当はドラムに対してそう考えるてるし、ミュージシャンでありたいって今思うからやってますけど、これで食えなくなったら辞めると思う。食えてる状況でも、違和感を感じたらすぐにでも身を引くし、もうすぐ40だし。そうしたら身体も色々変わってくるじゃないですか。ドラムって楽器は力がすごく強く出ちゃう。自分で思うようにはいかなくなると思う。あと、ライブハウスってコロナってものが良い意味で言えば教師? になって自分たちが変われるきっかけになるし、悪い意味で言えば自分らの一番良かった状況っていうのを全否定される現状になってる。では、こんな感じで。今回はありがとうございました!

岸本:ありがとうございました!

あとがき

イーストでの対談後、岸本さんと出会った頃の事を思い出して、当時の自分達のヴィジョンとは少し違うけど、それなりにやってるなーとか考えながら道玄坂を下って帰宅。
すべてがあっという間に過ぎ去っていったようだけど、慌ただしくも超濃厚だったこの10年間。
ライブハウスは今窮地に立たされています。少しは改善されたように思うかもしれないけど、全くそんなことない。
何ができるか、すべきか、今も課題は山積み。こうして考えてる間にも、俺たちミュージシャンのホームであるライブハウスは減っていってる。
全部とっぱらって力合わせる方法ないのかねぇー。。歯がゆいっす。

めちゃくちゃシビアな状況の中、今回対談を快く引き受けてくれて本当にありがとうございました。

岸本さん、イーストに感謝。

岸本 純一プロフィール
①プロフィール
O-EAST店長

②Favorite Movie
ボクらを見る目

③Favorite Art
すみません、特にないです。

④Favorite Music
ハンズジマー

⑤Favorite Fashion
古着

⑥Favorite Book
すみません、特にないです。

⑦Favorite Photo
すみません、特にないです







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Author Profile
松下マサナオ
長野県飯田市出身。
17歳でドラムを始め、大学卒業後に渡米し、Ralph Humphrey、Joe Porcaro 等に師事。
現地の優れたミュージシャン達と演奏を重ねながら、2年間武者修行をする。
帰国後はストレートジャズからパンクロックまで様々なジャンルで活動。

2009年に自身のバンド、Yasei Collective を結成。

2012年に FUJI ROCKFESTIVAL 出演、2013年にはグラミー賞にノミネートされた US ジャムバンド、Kneebody との Wリリース・ライヴを実現。

2014年には日本を代表するドラマー、村上"PONTA"秀一氏率いる NEW PONTA BOX と異色のツインドラムセッションを行う。また同年、凛として時雨のドラマーであるピエール中野氏のソロプロジェクト『Chaotic VibesOrchestra』への参加。

2017年には、デビッド・ボウイ最後のドラマー、マーク・ジュリアナとツインドラムでの共演、ベニー・グレブやブレインフィーダーのルイス・コール等の来日公演でゲストアクトを務めるなど、海外との交流も深い。

2018年、NYレコーディングによるヤセイコレクティブ5枚目のフルアルバム"statSment"をリリース。同年9月にはリズム&ドラム・マガジン9月号の表紙を飾る。

2020年、豪華ゲストをフィーチャーしたヤセイ結成10周年のデジタルリリースシングル絶賛配信中。
Yasei Collective,Gentle Forest Jazz Band, HH&MM(日向秀和×松下マサナオ)
二階堂和美、ハナレグミ、藤原さくら、東京03、バナナマン、cero、mabanua、kid fresino、前野健太、NakamuraEmi、日向秀和(ストレイテナー)、Toku 他多数
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