No Shortcuts Vol.3- 松下マサナオ -

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Yasei Collectiveを始め、日本の音楽業界に無くてはならないドラマーのお一人である松下マサナオさんが、BUNCAで対談形式の連載を開始!第3回目のゲストは、スガダイローさんのマネージメントに10年携わったノイズ中村さんです。

※このインタビューは2020/2/19に行われたものです。


松下:No Shortcuts Vol.3、今回のゲストはスガダイローさんのマネージメントに10年携わった「ノイズ中村」くんです。よろしくお願いします!

ノイズ:よろしくお願いします!

【スガダイローって知ってるか!?】

松下:いろんな業界の人間に僕がインタビュー(対談)するって企画で(BUNCAで)連載をしてるんですけど、カテゴライズが出来ない人が一人くらいいた方が面白いんじゃないかと思って(笑)

ノイズ:声掛けて貰って嬉しいです(笑)

松下:マネージメントをやったり招聘とかブッキングしたり、一所に収まりきらない感じが面白くて、誰に聞いても「アイツは超面白い」って。すごく漠然としてるのに「めっちゃアイツ面白いんだよ」とか「彼は超変わってるんだよね」って話ばっかり耳に入ってきて。

ノイズ:俺はマサナオさんをスーパーデラックスで観てるんですよ。

松下:ヤセイの超初期でしょ?

ノイズ:超初期。だから「Yasei Collective」って言ってたかもちょっと謎。言ってたと思うけど。で、僕もその時期にスーデラでイベントをやらせて貰ってたんですけど、たまたま打ち合わせ行った時に(マサナオさんの演奏を)観たのかなあ。そこで「リズムのイカレてる人いるなあ」って思って(笑)

松下:あの頃のことで思い出すのは、音楽をイカツくやってる連中はどんどん地下にこもってくような流れが日本の定型になっちゃってて。それでもう一回全部を繋ごうってやってる若い奴らのムーブメントの中心にいたでしょ?ノイズくんは。

ノイズ:どうなんだろう。中心にいた気はなくて、むしろず~っとどこの業界からも無視されてるなぁみたいな気持ちでいましたから(笑)

松下:どういうタイミングでスガさん(スガダイローさん)と一緒に仕事をするようになったの?俺はお会いしたことないんだけど。

ノイズ:僕は、スガさんと仕事をし始めて丸10年やったんすよ。で、2019年の時にやりたいこともあるし辞めますって話になって、スガさんのマネージメントをやめたんですけど、出会いは僕、元々サックスを吹いていて、公園で練習してたら通りすがりの関西弁の女性の方に「ピッチが合ってないねん!」ってめちゃくちゃ叱られたんですよ(笑)

松下:(笑)

ノイズ:死ぬほど叱られて(笑)その叱られ方が非常に腹ただしくて、そこでガチの言い合いみたいな…。公園で朝っぱらから(笑)そしたらそれがその女性の方的にはおもしろかったみたいで、「スガダイローって知ってるか!?」「お前そんだけ気合あるんだったら彼に紹介してやる」みたいなこと言われて。

松下:ケンカの行く末として、そう落ち着いんだ(笑)

ノイズ:そう(笑) スガさんにはその時は連絡がつかなかったんですけど、当時スガさんの下にいた松本崇史さんってサックス奏者が当時スガさんとよく演奏してて、松本さんに連絡がついて、「○月○日に、荻窪ベルベットサンにセッションするから来いっ」て言われて。それでサックス持って行ったら、いきなり車に乗せられて(笑)
松下:マフィアかよ(笑)

ノイズ:それで「どこ行くんですか?」って問いにも「まぁいいからいいから」みたいな。池澤龍作さんが運転してて。横には東保光さんがいて。で、場所も教えてくれなくてどこ行くんだろうって思ってたら、着いた場所が長野県の菅平のフェスで(笑)当時スマホも無くてガラケーでしょ、今みたいに電波も良くないから圏外なんですよ。フェスの前乗りで行ってるから、みんな何泊かするみたいなんだけど、何の準備もせず拉致られたまま僕も3泊して(笑)もちろん僕は宿のリストにも無いし、飯も出ないから2日くらい何も食ってなくて寝床も窓が空いているコテージに忍び込んで身を丸くして寝るという感じで(笑)

一同:(笑)

ノイズ:このままだとヤバイってなっても足(車)がないし、菅平ってその当時はコンビニも全然無くて、これはもう厨房に忍び込んで何かしら拝借するしかないってなって(笑)それで拝借しようと意を決したところをスガダイロートリオの皆さんに見つかって、ちょうど何か食べてて「お前そんなことしたらすげー怒られるぞ、分けてやるからこっち来い」って言われて飯を分けて貰ったのが最初の出会いです(笑)

松下:それ、所謂ギャングのやり口じゃない?飴と鞭(笑)

ノイズ:そうそう(笑)一宿一飯の恩で10年間付いていた感じはありますね(笑)話し戻すと「お前何が出来んの?何しにきたの?てか誰なの?」みたいになって、今までの流れ(拉致られた)を話したら、「サックス出来るんだ。サックスで何が出来るの?」って言われ、「ノイズサックスが出来ます」って。そのフェスには、スガダイロートリオでフェスに出てたんですけど、主催者とスガさんがなんか揉めちゃったらしくて「もうトリオでは出ねーこのフェスぶっ壊す」みたいなことになっちゃって、そのフェスはスガさんの知り合いもたくさん出てたから20人くらいをかき集めて即席でビッグバンドを作ったんですよ。そこにお前も入れって言われて、「お前ノイズサックスしか出来ないんだろ?最後の1分半やるからそこで死ぬ気で吹いて、あそこで聴いてる主催者の奴らをぶっ飛ばせ」みたいなことを言われて、その当時は僕も23歳くらいでイキがってたから、「いいっすよ、余裕っス」みたいな感じでサックス吹いたら、高山過ぎて酸素薄いからマジでぶっ倒れちゃって(笑)

一同:(笑)

ノイズ:土井徳浩さんっていうめちゃめちゃすごいクラリネット、サックス奏者さんがいて隣りで僕が演奏したら、土井徳浩さん傷ついちゃったらしく。「こんなサックス聴いたら僕もうちょっと…今後サックス出来ないかもしれない」ってなるくらい酷すぎたらしくて(笑)そんな酷いサックス吹いてあげくぶっ倒れちゃったからスガさんがすごい気に入ってくれて、あの人そういうの好きだから。そこからよく呼んで貰うようになって。林栄一さんを潰すからお前来いって連絡あっては、「分かりました行きます」みたいな感じで林さんとバトルしたり(笑) 余裕でコテンパンにされましたけど(笑)

松下:これ使えんの!?(笑)

ノイズ:カットですね(笑)

一同:(笑)

【マネージャー、ブッキング、レーベルみたいなのが2011年に一気に整った】

ノイズ:呼んで貰うようになって数年経ったくらいかな。スガさんがメジャーデビューした時に、全国ツアーを組むから運転手やらない?って誘われて、運転好きだったから「いいっすよ」って二つ返事で答えて。行ったんですよ。そしたら今度は物販やる人がいないってなって、「お前、物販もやれよ」って言われて、それも「いいっすよ」って物販もやり始めて。「ただ物販やってもおもしろくないな…お前司会やれよ」「いいっすよ」って(笑)

一同:(笑)

ノイズ:ついでだからお前全部ツアーも組んでってなって、こことここの会場がちょっと距離長いから真ん中くらいになんか会場ないか調べてって言われて。それも「いいすよ〜」って引き受けて全部で12か所くらいのツアーのスケジュールを組んで。自分でイベントとかはやってたけど音楽の制作的な経験はなにもないから地方事情とか全然分からないし、九州に入るまではもう悲惨で!初のツアーが山口県とかお客さんが3人で、しかも全員おばあちゃん。カウンターでくっちゃべってて、たまに後ろ向いて「イエーイ!」とか言うだけみたいな(笑)

松下:(笑)

ノイズ:もうお客さんいないも同然な感じ(笑)やっべ~これとか思って、どんどんスガさんの機嫌も悪くなるし。だけど九州入ったらバーンと盛り上がってお客さんも集めてくれててそこで救われたんですけど、それが初年度で、なんだかんだで自分が試算してた数字のちょいマイナスくらいで終わったから、スガさんの中で使えるってなったんでしょうね。それで2年目もよろしくみたいになって、「ついでだから俺のマネージャーやってくんない?」みたいな流れからマネージャー業が始まりました。

松下:拉致後、数年でそうなったんだ!

ノイズ:そう。それでマネージャー業始まったんですけど何やっていいか分かんないなっていうタイミングで、「お前、荻窪ベルベットサンのブッキングもやれよ」って感じでやり始めて。スガさんのずっとCDを作ってたレーベルがあったんですけど、その運営者が辞めるってなって、「お前、レーベルもやれよ」って言われて「いいっすよ〜」って。これでマネージャー、ブッキング、レーベルみたいなのが2011年に一気に整ったんですよ。でも、どれもやったことなくて(笑)

松下:その時はまだ20代後半ってことでしょ?

ノイズ:ですね、27歳ですね。全部やったことないけど楽しいじゃないですか。CD作るのも初めてだからスタジオ押さえるのもどうするの?って感じで周りがここがいいよって教えてくれるけどよく分からないし、それが経費的に合ってるのかも分からないし、とにかく聞くことから交渉も始めましたね。「素人なんで、値段とかよく分からないんですけど、ロックアウト(完パケ)で幾らになるんですか?」みたいな(笑)てかロックアウトって言葉も分からない状態から始まったときに、Studio Dedeの吉川さんがちょうどスタジオを始めたくらいの頃で「スガさんはバークリー音楽大学(ボストン)にいる時からすごい才能だと思ってたからぜひとも」って言っくれて、めちゃくちゃ安く貸してくれて、それでスガダイロートリオを録音させてもらって。レーベルは盤が作れれば売れるしツアーも組めるから、録音からミックス、マスタリング、プレス先まで自力みつけてでどんどんやっていきましたね。

【繰り返して、積み重ねで変わっていく】

松下:めちゃくちゃ(全国を)周ってたんでしょ?

ノイズ:全国あちこち、東西南北めっちゃくちゃ周ってました。だから最初に始めたことは、まず日本中のピアノがどのお店にあるのか全国調べてリストアップして。

松下:すげぇな(笑)

ノイズ:そのリストから更にネットで画像検索をして、雰囲気の良さそうなところ、アンダーグラウンド過ぎずハイソ過ぎずみたいな、良さそうなところを更に絞ってジャンル分けしてって、その後に実際に電話して担当の方と直接話してみてバイブスを感じてってのをやっていきました(笑)

松下:あ~それすごく大事だよね、最終的に。メールでもあるもんね。なんやねんこいつって思うこと、本当に多いから(笑)

ノイズ:そうなんですよ。ありますよね。そこで、波長が合うというかバチッ!と決まるときがあるんすよね。それは今も繋がってるし、そういう人がいる街は育ってます。最初はジャズおじさまがお客さんに多かったんですけど、だんだん若い人が増えてきたりとかして。初年度のツアーの時に試したのは、集客を増やす為のプロモーションのひとつで「しろぜめっ!」ていうスガダイロートリオの旅の様子をライブ音源に乗せてお届けするショートロードムービーみたいな10分くらいの番組をYouTubeにアップしました。(YOUTUBEはコチラから)今ほどWi-Fiもない時にその場で編集して毎日アップするっていうのをカメラマン1人連れてってやってたんですよ。今でいうユーチューバーの走りだと思うんですけど…続けてれば今頃ねぇ…って思うんすけど(笑)

松下:まぁね~(笑)

ノイズ:すごいおもしろい番組出来てたんですよ。その時、スガさんは城がすごい好きで、全国の城を観光するみたいなことをやってたから、趣味がプロモーションになればいいなと思ってやったんですけど、それが結構ハマって、シーズン3まで3年間毎年やったんですね。その効果もあって少しずつ各会場のお客さんも増えてったんですよ。震災の時期くらいからSNSも盛り上がってきてたから、そこもYouTubeとリンクしてプロモーション的には追い風になって。初年度はお客さんが3人とかだったところも30人とかいくようになったし。

松下:繰り返して、積み重ねで変わっていくし。

ノイズ:そうそう。なんか番組のやり方とかも割と新しかったっていうのもあって、若い人が結構来るようになってくれて。もちろん年配の方もいるので年齢層は幅広かったんですけど、若い人も来るようになってくれて。

松下:ジャズには理想的だよね。古参ファンの人たちもいて一定数の集客は見込めるし。少し話変わるけど、時には信じられないぐらいの小キャパシティなところも含め、毎日のようにツアーするわけじゃん?そこで、その日のペイでホテル、経費とか払ってくわけだから、どんだけ本数打つかで色々変わってくるよね。でもその分イベンターが入ったりとかないし、所謂経費的なものが相当カットされてるからなんとかはなる。俺の場合はそういうタイプのギグもするし、サポートもやるしYasei CollectiveもGFJBやってるから、毎回ベニューもいろんなとだし、色んなタイプの人間と会うけど、ノイズくんはそういう現場のどこにもいないタイプ。自分のやり方で全てやってる気がするよ。

ノイズ:やらざる負えなかったですね、僕の場合は(笑)

松下:話聞いてるとそんな感じだよね。

【むちゃくちゃシビアなところから始まってます】

中村:今思うと、主催者がいて、プロデューサーがいて、制作者がいて、プロモーターがいて、こんなに分業されてるなんて知らなかったですもん、5年目くらいまで。全部やるのが普通だったから、業界の常識とか全く知らなくて(笑)数年かかって業界の方と仕事を出来るようになって、メールのCCの数を見て思ったのは、最悪10人はお客さんがいるように見えるんだな、いいな~って(笑)

松下:めちゃくちゃシビアだなノイズくん(笑)

ノイズ:むちゃくちゃシビアなところから始まってますから(笑) お客さんゼロとか見てきてるし、マネージャーになる前、僕がお客として行ったライブでスガさんに「2部からお前ゲストで吹いていいよ」って言われて、嬉しかったんだけど僕がゲストでステージで吹いたらお客さんゼロじゃんみたいな(笑)

松下:(笑)

ノイズ:それもう興行じゃねーじゃんって!(笑)そういうところから始まってるから、そこでお客さんを連れてくみたいな。ならもうツアーのツアーすればいいじゃんって思って、実践はしなかったんですけどずっと考えてた。次の段階では大型免許取りに行こうって思ってて、大きい車にお客さんも乗せて、降りたいところで降りて、乗りたいところで乗ったりする新しい観光業みたいなことをやれないかな~って妄想してましたね。

松下:最終的な夜の場所が会場なだけで、昼間はみんな好きなことやってて、メンバーはリハやるからみたいなね。

中村:そうそう!そしたらもう集客の心配しなくていいじゃないですか、30人くらい連れてってんだから(笑)

松下:キャパにもよるけど確かに。

中村:そうそう(笑)すごい頑張って1人1人に連絡するみたいなことってとても大切なことなので今後もやるんだろうけど、ライブ会場にすでに30人いて、31人目から始められるって全然違うじゃないですか?気持ち的にも。

松下:全然違うね。逆にこれはやらなかったってことあるの?マネージメントからレーベル業務とか流通以外のこと全部やったってことでしょ?

ノイズ:そうですね、全部やりましたね。でもフェスに出始めたのは最近ですかね。フェスはもうほんとずっとお声かからなくて。名前売れてきてもオファーなんて来ないし。そもそもピアノがジャズフェス以外は殆ど無いからっていうのもあるんですけど、悔しくて次にやったのが、全国で安くピアノをレンタルして持ってきてくれる業者をリストアップしたんですよ。

松下:なんかさ、人がやってみてダメだった、じゃあ俺がやってみようっ。て感じにに頭が働いてんのかな?

ノイズ:そうみたいですね。悔しいのもあって(笑)

松下:それなかなかみんなやらないと思うよ。じゃあそれ洗い出ししちゃおうって作業もすごくキツイじゃん。多分経営者本能みたいなのがあって、血が騒いじゃうんだろうね。

ノイズ:洗う(リストアップ)の好きなんですよね(笑)

【宿と下のフロアでイベントが出来るところを次は作ろう】

松下:今ノイズくんと二人でやろうと思ってるプロジェクトあるんだけど、俺たち世代も一緒なのもあって、多分いろいろ退屈してきてるタイミングが合ってる感じ。バンド10年やってきて、彼もマネージメントを10年やってきて、(マネージメントって言えないか)そろそろ違うことをやりたいってタイミングでディープに付き合うようになって。 Airbnbってあるじゃないですか?あれを東京でライブが出来るベニューがある、規模はちょっと分からないけど、そういうのいつか持ちたいなってのを目標に、今二人でな色々リサーチしてて。そしたらさ、2度目に会ったときには「ここはライブが出来て」みたいなべニューがもう洗い出してあんの。もうこの人洗いもん大好き。全部リスト送られてきて逆に俺ちょっと引いちゃったもん(笑)

ノイズ:なんかハマッたんですよね、僕も元々そういうの作りたかったから。1年前にベルベットサンが老朽化してきて場所を移そうみたいな話になったことがあって、マサナオさんと一緒の発想で、宿と下でイベントが出来るところを次は作ろうと提案したことがあって、物件をめちゃめちゃ見に行ったりとか。まぁ東京ってすごい大変なんですけど、法律が。その辺も消防署行ったり司法書士と一緒にリサーチしたりとかまで全部掘って、結果無理だったんですが、もう宿泊業って絶対無理〜て感じでしたね。いけるかな~ってところまでいったんですけど、最終的に防音入れると許可を得る為の広さが足りなくて。それで断念したってことがあって、一旦宿泊業は保留して自分の中の引き出しにしまっていた時に、マサナオさんからその話、アイデアを聞いて、まさにちょうど1年前にそれずっと考えてたんですよって。僕は演奏する以外出来るから、演奏出来て同じ志の人を待ってたんすよ!早速次のアイデアを言ってもいいすか?みたいな感じで(笑)

松下:結構具体的に話してて、定期的にやり取りもしてて。

ノイズ:次は全国のゲストハウスとかホステルと組んで観光業だ!みたいな。そういう場所に宿泊している方々ってイベントや音楽とかが好きだったりエンターテインメント好きな人って多いから、宿泊施設とイベント業を繋いでってツアーにしてく。泊まるところはあるから、自分たちの経費面もかなりカットされるし、宿泊施設側はプロモーション(広告宣伝)としても宿泊者増加も見込めるのでお互いメリットがある。自分たちも経費が下げれるのでチャージ価格も下げれて、宿泊者だったら500円でいいよ。泊まらなくても1500円で入れるよみたいにすることで高いチャージを支払ってもらうではなく、若者が来やすいカジュアルな形をつくれるんじゃないかなーって思ってて。

松下:なるほどね。

ノイズ:スガさんのマネージャーをやって5年目くらいから顔ぶれ(オーディエンス)があまり変わんなくなってきちゃった。それにはすごい危機感を感じてましたね。違うことやらないと打開できないかなっていうのを考えてたんですけど。だったら最初っから旅行とかで泊まっている、人が集まっているところに音楽を持っていけばいいのかと。そういうエンターテイメントが好きな人たちって集まってくるじゃないですか。雰囲気があるから。好きな人が集まる場所が全国にあるんだったら、ルート作っちゃってみんながそれを利用するみたいなそういう流れが出来たらいいなーって。

松下:さっき言ってたお客さんを連れていくにかなり近い感じだね。そこにお客さんが泊ってるわけだから。しかも感度の高い人達しか来ないようなべニューになってるところ、そういうところを俺らは東京で作りたくて。ここからどうなるか分からないけど、そもそも俺は宿泊施設があって、スタジオがあって、1階もしくは最上階がバー(飲食店)みたいになってて、けど1番やりたいのはホンモノの音楽スクール。日本の初等教育がもう見込めないってのは分かったから、出来るだけ早く、気付いた人達が集まって、そこ行くと間違いないみたいな場所を併設したい。専門学校のもっとミニマムなやつ。これからの未来を担ってく子供たちにミュージシャンて最高で、仕事として成り立ってるのを見せてかないと絶対ダメだから。適切なカルチャー中に常にいる感じを体感できる場所がいる。まー、学校じゃないか、それ。

中村:そうですね。

松下:リーガルギリギリのところでなんかやってきたい。危なっかしさがカッコイイ。めちゃくちゃヒップなことをやってる場所ってのを作りたい。ここ2年くらいずっと考えてて、いろんな人に話したりしてて。その話をノイズくんに言ったら「それ僕も考えてたんですよね」ってなって。

ノイズ:一緒でしたよね、教育問題みたいなところも考えてて。僕は教育ってところまでは出来ないけど、ただ若い層を育てる(育てる環境)現場を作るみたいな。次は若い世代の人達が上にキャリアアップ出来る現場を作りたいと思ってたから「これは教育だ」ってたしかにマサナオさんが言ってる教育と同じ面を持ってるなって。

松下:いや、ほんと全く一緒だよ。

【僕、アドレスホッパーになります】

中村:その為にまずは一回、全国洗おっかみたいなところから始まって、この間打ち合わせもしてたんですけど。あそこから更に推し進んじゃってて(笑)

松下:すすめてる(笑)

中村:はい(笑)アドレスホッパーって分かります?

松下:うん。

ノイズ:僕、アドレスホッパーになります。

松下:マジで!?(笑)

ノイズ:家賃は無駄だってことに結論なりました。僕にとって家がそもそもただ寝る場所みたいになってて、家にいるのかいないのか分からない生活だから、これ必要ないなって。それでマサナオさんとの話しもあるし、今からこの話しを進めたら1年の大半は日本中のどこかにいて、どこかのゲストハウスかホステルに泊まってるなと。

松下:(笑)

中村:てことは宿(部屋)いらねーじゃんってなって。僕、物に執着が全くないんですよ。年中似たような服着てるし。だから服とか余計なものもいらないし。

松下:いつも黒いよね(笑)

中村:これも楽だから。オシャレっていうか、人から変に見られないようには気を付けてるけど、あれもこれもがないんですよ。すごい限られたので良くて。多分2カ月以内に無くしますね、家は。

松下:まぁ、どこでも泊まれるもんね。

中村:そう。だし、おもしろいし。だって家ないんですよ。いきなし家無くなっちゃったなコイツみたいな(笑)

松下:めっちゃミニマルにはなるよね。

中村:身軽になりますよね。そしたら更に出来ることが増えるじゃないですか。

松下:そうだね。

中村:余計な事に頭使いたくないなーて。家賃とか考えるのもストレスだなー。全く要らないなって。だから家を無くします。

松下:おもしろいね、それは。やってみたいけどやれない(笑)信用問題だもんね。「どこに資料送ればいいですか?」「いや、住所ないっす」ってなるし(笑)

ノイズ:住所はあります。ちゃんと税金も払ってるし、会社があるから税金は払わざる負えないので。うちの税理士さんも全部やってくれるから。だからちょっとこれで進めてみようかなと思って。

松下:いざる負えないでしょ。どこかで寝ざる負えないから、その分リサーチにも使えるっていう。

中村:そういうことです!ちょっと行ってみたいところとか、聞けるじゃないですか。なんかそこで波長があうというか、1日1回外に出てるとおもしろい人に会うじゃないですか。今日もこうやって皆さんと会えてるわけだし、出会った人に居酒屋を聞くように宿も聞くみたいな(笑)

一同:(笑)

中村:家に留まってるのがもう嫌になってきて、帰ってきたら寝てるか風呂。風呂が好きなんですけど、最近は風呂よりもサウナの方が好きになっちゃって。サウナ行くんだったらもう風呂も必要ないじゃんってなって。

松下:全部あるからね(笑)

中村:日本中のめちゃくちゃいいサウナ巡って行きたいな(笑)日帰りサウナとかいっぱいあるでしょ。そっちの方がいいなと思って。

【生きた情報は生きてる人間にしかない】

松下:ノイズくんはおもしろいし、ある意味同業者としてもそうだし、多分これから友達としてもいろんなこと一緒にやってくと思うけどさ。広い視野キープできるといいよね、なんでも。家捨てることだって正直ビックリしたもん。やってる奴、アメリカとかではいっぽいいるけどさ、でもそれ法律が全く違うじゃん。それを日本でしかも東京にいてっていうのはかなりおもしろい選択だと思う。

ノイズ:法律に限らず役所って、法務局とか警察、税務局、気になったら行ってみると教えてくれるんですよね、いろいろ親切に。

松下:へぇ~。

ノイズ:昔みたいに公務員の「あ~あっち行って下さい」とかあんま無いですね。それで何度も行ってると、「あ~どうもどうも」って感じで「またあなたですか」みたいに覚えてもらっちゃって。「また分からないことでもあったの?」って聞いてくれたりもする。だから聞くといいなと思って。分からないんだし専門家に聞くのが早いし聞くの面白いし。

松下:君はそのバイタリティだよやはり。

ノイズ:みんなGoogleで調べちゃうじゃないすか?僕もそうすることが多いんですけど、Googleで調べると失敗することも多くて。二度手間になったりもしますし。間違った情報を掲載したあとに修正されてなかったりするじゃないですか?

松下:アップデートが全然追いついてないんでしょ。あと、経験談であってプロフェッショナルじゃないから。
ノイズ:そうそう。だから生きた情報は生きてる人間にしかないなって。

松下:結局同じところにいくんだよね。「人と人」。

ノイズ:それが1番早いですよ。僕、今ず~っと妄想してて。久々に10年分の休暇が一気に来たみたいな状況でもあるんで、このひと月ふた月くらいずっと妄想してインプットをず~っとしてるんですよね。そこで行き着いたのは「一旦家を無くす」なんですけど(笑) そうすると、そういう人が集まってくるというか、多分自分もそこに足が向かうんでしょうね。この後ぼく飲みに行くんですけど、それも7~8年くらい前に代々木公園かなんかでレゲエ祭みたいなのやってて、音鳴ってると思ってぷらっと遊びに行ったらすごいおもしろそうな女性がいて、その人とひょんなことから知り合って「姐さん、姐さん」ってくっついてたらあちらも舎弟みたいな扱いしてくれて(笑)

松下:(笑)

ノイズ:その姐さんに現状のこと話したら「ノイズ、なに、何でも紹介するよ!宿も!友達も!」みたいになって。姐さん、すごい明るくて一気に友達になっちゃう人だから顔とても広くて(笑)

松下:すごいね!人と人が繋がって、おもしろいなぁ。

ノイズ:繋がる。行けば繋がるんですよね。行って会うと。

松下:ほんとたまたまの賜物というか、俺らの人生って。ノイズくんとダイローさんとの出会いもそうだけど、拉致から始まる愛もあるわけじゃん(笑)

ノイズ:10年付き合っちゃいましたもんね、おもしろくて。知り合いに言われましたもん「長いこと拉致られてたね」ってほんとまさにだな~と思って。スガダイロー史上1番長く拉致ってたのが僕なんじゃないですかね(笑)

松下:ほんと面白いよね。

ノイズ:面白くてずっとやっちゃいましたね。

松下:10年ってそういうことだから。

松下:場所を提供して、みんなにタイミングっていうのを感じて欲しいよね。そこに行ったら何かがあるっていう。俺らは自分でリサーチしてさ、あそこ行ったら面白いかもっていう「かも」で動いてたけど、今の人達って提供してあげないと動けない人がいっぱいいて、でもそういう人こそ結構才能があったりするじゃん。じゃあ最悪あそこ行けばなんとかなるんじゃねーかってところが日本にはほんと無いからさ。日本ってか東京に。ここ行ったら何かハプニングしてんじゃないかって。例えばベルベットサンとかアポロとかさ、あの辺とかおもしろいから酔っ払った勢いで行ってライブ見るとすげえ面白いなって毎回思うんだけど、LAだったらこことかNYだったら沢山あるし、そういうのの1個が作れたら絶対にいいじゃん。

ノイズ:そうですね!その為にやりましょうね。だから出資者を募るじゃないけど、宿のプロモーションの映像とかを作るっていうことも組み込みつつ紹介動画にしてそれをその都度、出資者を募るみたいな。そしたらいいかもしれないです。

松下:そうね。今日は本当にありがとう!

ノイズ:こちらこそ!殆どカットになりそうですけど(笑)ありがとうございました!

「あとがき」

どんな状況においても、自分のやりたい事が明確にあって、実現のために勝手に身体が動いている。それって凄く健康的な状態、俺にとって。

今はできないこと色々あるけどね。それぞれやれる範囲でやれたら良いよね。
アーティストとしての自分の生き方をキープするのが最も大切だと思ってきたけど、もしかしたら生き方を変えてでもアーティストでいることの方が大事なのかもと最近思った。

あとさ、己の魅力、ストロングポイントは何なのか。

時間がある今だからこそ考えてみる。

弱点克服は、普段から勝手にやっちゃうじゃん?

イイとこ伸ばしてこー!って簡単に言うけど、難しいよね。

トライしてみるいい機会かな。

ノイズくんとの対談は2月だったかな。またゆっくり会って話したい。

対談者:ノイズ中村
話し手:松下マサナオ
撮影/編集:BUNCA

対談者PROFILE

ノイズ中村

音楽プロデューサー、コーディネーター、アーティストマネジメント、レーベル運営、 イベント企画制作を行い、日々日本中を活動の場所として駆け巡っている。2016〜2017年 FM ヨコハマ『ジャズニモマケズ』、2020年〜 八王子FM『異世界に転生して来たけどスマホが充電できなくて困ってます。RADIO』ラジオ・パーソナリティを務める。
Twitter⇒http://https://twitter.com/blackgoldjazz

FavoriteMovie:
男はつらいよ

FavoriteMovieArt:
鈴木ヒラク、小金沢健人

FavoriteMusic:
デューク・エリントン/チャールズ・ミンガス/マックス・ローチ『マネー・ジャングル』

FavoriteFashion:
VOU

FavoriteBook:
KILLIRE BONG 『BLACK BOOK』

FavoritePhoto:
鳥居洋介、長谷川健太郎、コムラマイ

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荻窪ベルベットサン
HP: http://www.velvetsun.jp/

〒167-0051
東京都杉並区 荻窪3-47-21
サンライズビル1F







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Author Profile
松下マサナオ
長野県飯田市出身。
17歳でドラムを始め、大学卒業後に渡米し、Ralph Humphrey、Joe Porcaro 等に師事。
現地の優れたミュージシャン達と演奏を重ねながら、2年間武者修行をする。
帰国後はストレートジャズからパンクロックまで様々なジャンルで活動。

2009年に自身のバンド、Yasei Collective を結成。

2012年に FUJI ROCKFESTIVAL 出演、2013年にはグラミー賞にノミネートされた US ジャムバンド、Kneebody との Wリリース・ライヴを実現。

2014年には日本を代表するドラマー、村上"PONTA"秀一氏率いる NEW PONTA BOX と異色のツインドラムセッションを行う。また同年、凛として時雨のドラマーであるピエール中野氏のソロプロジェクト『Chaotic VibesOrchestra』への参加。

2017年には、デビッド・ボウイ最後のドラマー、マーク・ジュリアナとツインドラムでの共演、ベニー・グレブやブレインフィーダーのルイス・コール等の来日公演でゲストアクトを務めるなど、海外との交流も深い。

2018年、NYレコーディングによるヤセイコレクティブ5枚目のフルアルバム"statSment"をリリース。同年9月にはリズム&ドラム・マガジン9月号の表紙を飾る。

2020年、豪華ゲストをフィーチャーしたヤセイ結成10周年のデジタルリリースシングル絶賛配信中。
Yasei Collective,Gentle Forest Jazz Band, HH&MM(日向秀和×松下マサナオ)
  二階堂和美、ハナレグミ、藤原さくら、東京03、バナナマン、cero、mabanua、kid fresino、前野健太、NakamuraEmi、日向秀和(ストレイテナー)、Toku 他多数
No Shortcuts Vol.3 - 松下マサナオ -
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