フリーターバンドマンが、フジロック出演したくて会社作った話- 佐藤竜市 -

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若かりし日の佐藤 竜市氏は気づきました、「自分の夢が叶うきっかけを他人に委ねている」ことに。そこから一歩踏み出した彼が経験し、感じたこととは…? ラストに綴られた今現在の佐藤氏の言葉は、きっと胸に刺さること請け合いです。

こんにちは。

自己紹介から。

僕はjohannというインストのロックバンドをやりながら、台東区の蔵前でmellowsoda.という映像制作会社を経営しています。

johann
(リンク) https://johannblog.tumblr.com/

mellowsoda,
(リンク) http://mellowsoda.jp/

会社の名前は、johannの曲名から取りました。

主に、TVCM、webCM、デジタルサイネージ、企業VP、ミュージックビデオ、サービス紹介等の映像コンテンツ全般の制作を今はメイン事業としています。

で、実はバンドが全国流通のアルバムをリリースする時に、クラウドファンディングが日本に今よりも浸透する前からCAMPFIREで資金を募らせて頂いた事があって。

7年前くらいなのかな?

(リンク) インストロックバンド「johann」 リスナーの方と一緒に音楽活動を続けたい

当然まだ浸透していないから、メンバーにクラウドファンディングの仕組みとか概念を説明するのが大変だった記憶があります。

あくまで肌感なんですが、

“演奏してライブして、お客さん、イベンターさんからお金を頂く”

っていう行為自体があんまり理解されてなかった?言い出しにくい空気?だった気がするんですよね。

そんな中、クラウドファンディングでお金を募る行為自体を、他のバンドマンから野次られたりした記憶あります笑

結果的に目標金額は達成できて、出資して下さったパトロンの皆様にリターンをお返しできました。

それから新しいアルバムを作る度に、ブックレットにパトロンの方々のお名前記載させて頂いたり、新しいアルバムの収録曲をデータで発売前にお送りしたりしてます。

本当にあの時、僕らに共感して出資して下さった方々にはずっと感謝しています。

まあ、クラウドファンディングのお話はこの辺で、、、

ここからは仕事とバンドの話。

で、表題にもある通り、僕はフジロックにどうしてもどうしても出演したくて会社作りました。

19歳の時に、フジロックのスタッフのバイトに行ってから、出演するまで2度と来ないって決めたんですね。謎ですが笑

フジロック自体はとても楽しかったし、楽しんだ。

けど、それと同時に死ぬほど悔しいって思いの方が凄まじかったんですね。

そこから、Johannというバンドで、フジロックに出演することを目標に、自分なりに思いつく限りのことを、必死にやってきたつもりでした。

全国各地でライブをやりまくってCD作って、曲作って、スタジオたくさん入って。

お金がないから、ライブとスタジオ以外は毎日居酒屋のバイトのシフト入れて、平均12時間以上は毎日働いてましたね。

そんな感じでやってたんですが、ムキになりすぎてたんですかね。

必死過ぎてメンバーのみんなと摺り合わせがうまく行かなくなっちゃたりして、どんどん辞めていったり、人の入れ替わりが激しくなってしまったんですね。

そうなってくると、結局バンド活動も思うようにいかなくなるし、楽しくないし、曲を作ったところでそれを演奏できないし、、、、

どうしたらいいんだろうってずっと悩んでました。

自分の性格と摺り合わせた結果、1つ結論が出ました。

当時はそんな自覚はなかったけど、僕がやってたことって結局、

≫“大きいレーベルとか音楽事務所のサポートを受けて、フジロックに出よう”≪

としてたんですよね。

つまり、他人任せ。

自分で立てた目標なのに、肝心のきっかけを人にやってもらおうと思ってたんですよ。

それってなんか本質からかけ離れたことに力入れちゃってんのかなって。

そこで、

≫“遠回りしてもいいから、自分の努力で目標に近付こう”≪

と思いました。

それが30歳ちょい前辺りでした。

≫つまりは、自分の作り上げた事業ででっかくなって、フジロックまでの道筋を作ればいい≪

それまでずーっと居酒屋でしかバイトしてなかったんですけどそこから、ネットで映像制作会社の求人を調べまくって、とある会社にバイトとして入りました。

なんで映像を学ぼうと思ったかというと、映像には音楽はほぼ必ず付随してくるじゃないですか。

映像の技術や諸々の知識があれば、必ず音楽とかバンド活動に結びつく、っていうなんとなくの確信があったんですね。

入ってしばらくは、それはそれは地獄のようでした。

PCの知識ゼロ、メールの打ち方も知らない、覚えることが大量にありすぎて、毎日頭が沸騰してました。

しかも徹夜作業も多くて。

Adobeのaftereffectsっていうモーショングラフィックスのソフトをメインとして使う会社だったんで、難易度が高くて本当に毎日が勉強でしたね。

≫ただ、勉強しながらお金がもらえるって、本当にありがたいですね。死ぬほど安かったけど。≪

しかも、こういうクリエイティブな仕事って、同じ内容の仕事は二度とこないから、案件ベースで新しく知識を入れていかなきゃいけない。

ルーチンワークじゃない。

そこが自分的には性に合っていたのか、バンドと並行しながら夢中になって毎日過ごしていました。

あのまま居酒屋でバイトをしていたら、絶対に出会わなかったであろう人々、行かないであろう場所、出来ないであろう経験。

人生初の海外での仕事が出来たのも嬉しかったですね。

≫ただ、まじで地獄のような労働時間でしたけど。
過酷すぎて当時の記憶あんまないっす。
上海で仕事したときは、一週間ホテルの部屋で監禁されてました。
生きててよかった。≪

まあ。でも30歳から新しい知識を得ようとするなら、そのくらいの覚悟決めて勉強しなきゃ無理ですよね。

そんなこんな働いているうちに、業務にも慣れてきて、adobe系のソフトなら余裕で使えるようになってきました。

そうなってくると、人間って不思議ですよね。

上司とか社長とかに文句が出てくるんですよ。

給料安いとか。労働時間長いとか、もっとこうしたほうが、ああしたほうが。

とか。

僕だけかもしれないけど。

そういう、誰かに文句がある精神状態で仕事してもつまらないんですよね。

普通に考えて、ネガティブな感情を持ってたら、いろんな作品に影響してくるな、と思って。

またそこで結構悩んだんですよ。

僕自身のマインドがもともと根暗なんで、、、、

で、ある日、そんなもやもやを抱えながらなんとなく浅草散歩していたらなんかすごくきれいな神社があって。

そこにふらっと立ち寄って、何の気なしにおみくじ引いたら大吉だったんですよ。

こりゃあ、神様のお告げだと思って、その場で社長に今月いっぱいでやめますって連絡しました笑

つまり

≫誰かに雇われているからこんなに文句が出てくるわけで、フリーランスになって全部自分の責任にしてしまえば物理的にそのネガティブな感情を強制シャットダウンできるな。≪

という結論になったんです。

それで、2017年1月1日から会社を辞めてフリーランスになりました。

ありがたいことに、初月からお仕事をたくさんいただけて、ひたすらがむしゃらに突き進んでました。

≫がむしゃらになっていると、ネガティブな感情は湧いてこないんですよね。
だって全部自己責任だから。≪

お金の面で言うと、2,3ヶ月で前年度の年収は超えていました。

そんな感じで1年半ぐらいフリーランスで仕事をしていると、、、

低学歴の僕も、なんとなーく世の中の仕組みみたいなのが見えてきた、ような気がしたんです。

その時に、なんか全てつながった気がして。

≫法人化して会社作れば、フジロックに協賛として関わらしてもらって、ワンチャン出場できるんじゃないか?≪

と本気で思ったんですね。

前の方に書いた

≫“遠回りしてもいいから、自分の努力で目標に近付こう”≪

これがどんどん具現化している実感があったんです。

で、2018年10月に株式会社mellowsoda.を設立したんです。

他の映像制作会社って、音楽にあまり精通していないところが多いから、音楽の知識が豊富で、なんなら作曲までワンパッケージで請け負ったらブランディングの一つになるんじゃないかって。

そこを突き詰めていったら本当に念願のフジロックにたどり着けるかも、、、!

って思ったら本当にワクワクします。

中学生のときの気持ちに戻ったみたいな、死ぬまでワクワクできる。

とはいえ、まだまだ吹けば飛んでいく弱小ベンチャー企業。

おごり高ぶらず、初心を忘れず、誠意をもってお客さんに質のいいクリエイティブを提供し続けていきたいと思っています。

≫ただ、本当にフリーランスになってから今まで、人生で一番楽しいです。
ビビりなんで、明日仕事がなくなったら、、、っていう不安は常にありますけど。。。≪

これで来年あたり会社潰れてたら笑ってください。

けど30歳過ぎて、こんなにワクワクできるなんて幸せです。

これからどうなるかはまじでわからないけど、ひたすらがんばります。

こんな僕みたいなやつの文章に需要があるかわからないけど、声をかけてくれたBUNCA様みたいな方々のおかげで、元気で暮らしていけます。

これから、何か一緒にやっていけたら嬉しいですね。

あとこれは僕の経験からなんですが、フリーランスは安易になるもんじゃないっすね、

それなりにメンタル強くて、ポジティブで、真面目じゃないと、、、

最近

≫フリーランスを応援する!≪

みたいな広告結構目にしますが、しっかり自分のタイプを見極めてから判断したほうがいいかと思います。

≫自由になる=お金を払わないと新しい知識を得られないですから。 会社にいればお金をもらいながら勉強できる。これは最高な環境。≪

そんなこんなで、もし最後まで読んでくださった方がいましたら、ありがとうございます!

僕のやってるjohannというバンドも、mellowsodaも頭の片隅に置いてもらえたら嬉しいです。ありがとうございました!

Author Profile
佐藤竜市
インストロックバンド"johann"のギタリスト
映像制作会社mellowsoda.代表取締役社長
2009年 インストロックバンドjohann結成。
https://johannblog.tumblr.com/

3枚のミニアルバム、オムニバスへの参加。
今売れて来ている様々なバンドと共演しているが、自分達だけ売れず、本気で悔しい。今年こそ本気だす。

2018年 映像制作会社mellowsoda.を設立。
http://mellowsoda.jp/

aftereffectsを主としたモーショングラフィックスをメインとした映像を得意としている。
TVCM、webCM、イベント用映像、デジタルサイネージ等々、幅広く制作。
フリーターバンドマンが、フジロック出演したくて会社作った話 - 佐藤竜市 -
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