「美容師はブラック労働か」- SOICHIRO UCHIDA -

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自身の職業について「超絶ブラック」だと言い切っておきながら、それでもなお「最高じゃん。」とためらいなく答えたのは、美容師・内田聡一郎氏。いわゆる芸術家気質とされる「自身の作品を追及する」のとは違う、「お客様からお金を頂くために技術を磨く」世界に身を置いてきた彼の文章からは、不思議と芸術家気質を感じずにはいられない。何故か。それはきっと根底にある「自分の『好き』を見つけて丁寧に育てていくことを考える」思想が共通しているからではないだろうか。 人生100年時代、あなたはどう生きますか?

こんにちわ。

渋谷の美容室LECOのオーナー美容師

http://leco.tokyo”

内田聡一郎です。

僕は普段から美容師に向けて美容師の想いを

SNSなどで発信しているのですが、

このブログにおいては美容師の読者ばかりではないと思うので

テーマはわかりやすいものがいいかなと思いました。

で、今回は

「美容師はブラック労働か」

という話について書こうと思います。

世間では働き方改革の高波に飲まれ、

やれ、給料がどうだとか、労働時間がどうだとか

敏感になっている今日この頃。

美容師も同様に様々な思想が生まれ、

雇用体系のパラダイムシフトが起こっております。

最近ではフリーランス美容師というジャンルも生まれ

一つの美容室をシェアして営むシェアサロンなる業態も生まれており、

まさに美容室大変革時代

世間の社会人の皆さんも仕事の仕方や考え方。ひいては人生観も踏まえて

自分の身の振り方の多様性ありすぎ問題に頭を抱えていることでしょう。

で、美容師って仕事はブラックなのかという議論。

結論から言うとブラックです。

しかも超絶

美容師の平均年収284万円。

国家資格のある職業平均年収ランキングではなんと堂々のビリだそうです。

辛いですね。

特にアシスタント時代は

朝から夜まで忙しい営業をこなし、

その前後にマネキンを使って技術の練習。

休みの日もセンスを磨くため課外講習に勉強しに行き、

お客様のために日々精進しつつも、

その見返りは結局スタイリストになるまでは

なかなか報酬に繋がらない。

1人前になっても歩合制の給与体系のために昇給していく保証はない。

他の業界から見たら、

あーそりゃブラックだわ。完全に。すぐ辞めた方がいいよ。

という状況であります。

しかしながら、それとは裏腹に

2019年現在、美容師の総人口は

52万人を突破。どんどん増えている状況なんですね。

(少子化問題などで今後はなり手が減っていくとは予想されていますが)

つまり、ブラックなのにみんな意外と辞めずに美容師やってんじゃん!

ということです。

このブラックなのに美容師が多いというカラクリはなんなのか。

僕なりの感覚で紐解くと

ずばり

「美容師はライスワークとライフワークを混同している」

のではないかと。

簡単にいうと、好きでやってる仕事だから辛くても苦しくても最高!

いつかビッグになって1発逆転ホームランだぜ!って人がたくさんいるのではと思います。

これって凄いことで、夢を持って好きなことに向かうという原動力が根底にあるのは
人生においてはとても幸せな事だと思います。

ある意味、夢見がちなバカ。

バカ最高ですね。

バカはバカなりに楽しいことしかやりたくありません。

根本的には自分はこれが好き!ってことをを表現してるんですよね。美容師は。

それが誰かの心を捉えてお金を払うだけの価値になっている。

もちろん表現できるまでに至る過程で苦労はたくさんあるはずですが

就労時間を意識して嫌々やっている作業ではないと思うんです。

実際に僕もヘアスタイルを提案して

そこに価値を見出してくれるお客様がいて成立しているわけで

仕事だからといって嫌々やっていることではないんですよね。

むしろ自分の好きをパッケージ化してそこに値段がつく快感は凄いんです。

そうは言っても冒頭に申した通り、

美容師は年収ランキング最下位の超絶ブラックな職業です。

なので、僕個人としては正直辞めたいと思ってる人は明日にでも辞めてもらいたい。

綺麗事ではなく本当に好きでやっている人しかいない業界になってほしい。

そうすれば美容師人口も減ってお客様の取り合いをする過当競争もなくなり

労働単価も上がり一個人の平均年収も上がっていく。

グダグダとやっている仕事の文句を言う暇があるなら1秒でも早く違う仕事で

楽しいを見つけた方がいい。

これからは好きを仕事にしていける人しか食えない時代が

本当にやってくると思っています。

最近読んだ本に

『これからの仕事は達成よりも意味合いが大事』

と書いてあったんですがなるほど。と思いました。

確かに仕事において4番エースをみんなが求める時代ではないし、

別に稼いでタワマンに住みたいわけでもベンツ乗りたいわけでもなく

(もちろんそれはそれでかっこいいけど)

自分の居場所を見つけることが大事な時代なんですね。

ここなら自分の価値観を大事に育てられるという確信。

結果それがライフとワークをクロスオーバーさせる。

最初は「好き」で

徐々に「得意」になり

いつか「他人が求めるもの」と合致して

価値を生み「お金」になる。

まずは自分の『好き』を見つけて丁寧に育てていくことを考える。

人生100年時代。

終身雇用も破綻して年金ももらえるか不透明な時代。

もう誰も綺麗なレールを引いてくれない。

だったら自分のことは自分でしっかり見据えて

好きをマネタイズするために目の前の課題を毎日せっせとクリアする。

未来のために着実に爪を研ぐ。

今は底辺でも一発逆転ホームランを狙う人生。

それが狙える職業。

最高じゃん。美容師。

ブラック上等。

Author Profile
SOICHIRO UCHIDA
内田聡一郎/Soichiro Uchida
1979.8.30/LECO代表

2003年
原宿 VeLO/veticaにオープニングスタッフで参加。

トップディレクターとしてサロンワークをはじめ、
一般誌、業界誌、セミナー、ヘアショー、著名人のヘアメイク、
商品開発など様々な分野で活躍。

2018年
渋谷にLECOをオープン、代表として今後一層の活躍が期待されている。
「自分の見つけ方」(2013年)
「内田流+αカット」(2017年)
「内田本」(2018年)を発売。

また、シザーやシザーケースなどのオリジナルプロダクトも発売中。
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