突然だが、俺は人より風呂に入らない。>
全く入らないわけではないが、入る頻度が少ない。
「なにがなんでも風呂に入らないときたねえから布団にも入りたくない!」なんて人がほとんどだと思うが、俺は真逆の人間だ。俺は欲に忠実なもんで、眠かったら風呂なんて入らず寝る。
まったく外出していなかったニート期間、風呂に入る頻度は更に減っていた。
2日3日風呂に入らない日なんてザラにあった。髪もひげもボサボサで浮浪者みたいな見た目だし、身体もどことなく臭い。風呂に入ることすら面倒くさくなってしまっていた。
毎日怠惰で何も面白くない日々をずっと過ごしていたのだが、それでも銭湯に行った時だけは幸せを感じていた。>
小さい頃から行きつけの銭湯なのだが、露天風呂もあるし、座風呂、打たせ湯、ジェットバス、電気バス、そしてサウナ。バリエーション豊かで飽きない。
基本的に座風呂ジェットバス露天風呂のローテーションを組んで、飽きたら味変で電気バスに入る。
普段自分の部屋でダンゴムシのようにうずくまっていても、銭湯の中では蝶のように羽を伸ばせる。>
だだっ広い湯舟に入って「アァ~~~~」なんて情けない声を出すその瞬間のために生きているとまで思わされる。そして入浴後は自販機でカフェオレ、もしくはコーラを一気飲みし、帰る。これが俺の銭湯ルーティーンだ。
「お風呂は命の洗濯よ」とはよく言うが、体を清めることで自己肯定感も上がったし、ストレスも銭湯で大の字になっている時は忘れられた。
「ニートにストレスはないのでは?」とよく言われるが、この時はストレスフルだった。
働きたい、ニートを脱したいという気持ちはかすかにあるのに、何もしようとしない・できない自分に対してイライラしていた。だがこんなイライラも、銭湯に入っている時だけは綺麗サッパリと洗い流されてしまった。
「お金を払うことで得られる幸福感」を安価で簡単に得られる>のも銭湯のいい所。
当時は遠くに旅行に行くようなまとまったお金もなかったし、家から出るような用事もなかった。
自分のためにお金を使うことなんてほとんど無くなってしまっていたが、銭湯という場で非日常的な時間を過ごし、身も心も芯から清めるという小さな幸せに救われた。>
思い詰まった時にはリフレッシュするべきだ。
安く済ませるなら銭湯、余裕があればその前後に焼き肉でも食えば最高だ。
…実は執筆している前日までおよそ3日間風呂に入らなかった。頭はかゆかったし体は臭かった。
こんなんだから俺はモテないんだと思う。それを解消するために今日も銭湯へ行くのだ。
はやくキレイな男になりたい。はやる気持ちを抑え駆け足で店へ。
おや?何やら立て看板が。
失意に暮れた俺は、また風呂に入らないで寝た。
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