俺と親父- イシカワ -

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BUNCAスタッフ・イシカワによる日々のボヤキを発信する連載コラム第6弾。

4月も半ばにはなったが、4月といえば新生活が始まったり、新たな出会いだなんだかんだあったりとあわただしい時期だ。

我がイシカワ家にも大きな変化が起きた。
俺の親父がついに定年退職したのだ。
ついに年金暮らしが始まったのだが、3月末に退職後、アルバイトとしてまた小学校の用務員として働いているらしい。

あんだけフサフサだった親父の髪の毛も今じゃハゲ散らかしているのを見ると時間の流れを痛感する。

(作品名:おとうさん 作者:おれ(ちゅーりっぷぐみ))



親父は物心ついたときから今の今まで小学校の用務員としてずっと働いていた。
昔は大手自動車メーカーに勤めていたなんて話も聞いたことはあるが、記憶には無い。

俺と親父は仲がとても良いわけでもなく、とても悪いわけでもない。
積極的に話し掛けはしないけど、話し掛けられたら軽く会話をするぐらいの仲だ。

そんな感じなので、親父の普段の仕事について話したことなんてほとんどないし、見たこともない。

俺は小学1年生の時に、体罰ちっくな担任のせいで1週間ほど不登校になって、「気分転換だ!」と親父に職場に拉致られたが、その時も親父が働いているところを見てない。他の用務員さんが親切だったことは覚えてる。


親父と言えば、コロナ全盛期の3年前のちょうど今頃、仕事中に親父から突如としてショートメッセージが送られてきた。

久々に金玉がキュっとなるような感覚に陥った。
聞いてみたら木の枝を切っている際にハシゴから落っこちたらしい。

コロナ禍だったので見舞いもできず、面会もできなかった。
親父は入院中暇ということは聞いていたので、フリーター時代に勤めていたスーパーの後輩から借りパクしたテニスの王子様全巻を差し入れした。

親父は大層喜んでいた。

驚異的な回復力に加え懸命なリハビリも功を奏して、後遺症もなく無事退院。
何事もなくいつも通り用務員としての生活を再開した。

まじでスゲーわと思った。

親父の仕事のことは今でもよくわからないが、親父の口から「生徒たちの笑顔を近くで見たい」ということは聞いたことがある。

この信念があるから同じ職業で何十年も働けたんだと思うし、すぐ立ち直れたんだと思う。芯の強さや自分を曲げないところ。俺が親父を一番リスペクトしているポイントだ。

まだ日は浅いが、BUNCAでの業務を通じて、こだわりや信念をもって作品を作り続ける世の中のアーティストやクリエイターを見たり出会ったりしてきた。そんな彼らに対しても同じようにとびきりのリスペクト送りたい。


てな感じで現在に至るわけだが、

はたから見りゃ親父は馬車馬
そして家計は火の車。
俺は実家で穀潰し。 


俺は俺自身を馬車馬にアップグレードし、可愛い彼女をゲットするべく、親父と昔話でもしてみようと思う。







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Author Profile
イシカワ
元引きこもりニート、うんこ製造機。
現こどおじ。
まだ引きこもりがちではある。
1994年生まれの28歳・男・独身。東京は練馬区生まれの練馬区育ち。
東亜学園高等学校卒業後、東京経済大学に入学。
1.5年の留年生活を経て卒業後、2年間のフリーター生活を経てIT系の会社に入社。
およそ1年半働く中で、ストレスから精神的・身体的に体調を崩してしまい退社。
1年半のニート期間を挟み、BUNCAスタッフの友人の紹介で、BUNCAのスタッフとして働くことになった。
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