季節ごとのイベントは結構楽しむタイプである。>
クリスマスにはイルミネーションを見に行ったり
最寄り駅で開催される年1のお祭りに遊びにいったり。
春のイベントといえば、花見である。イッツ桜。
そんなわけで花見を楽しむため石神井川まで桜を見に行ってきた、一人で>。
とある平日の仕事休み。
開花前線くんは「まあ8部咲きぐらいじゃね?」と俺に語りかけてくれていた。
満開のタイミングではなかったものの、その日の翌日以降は雨マークの群れが鎮座していた。雨でハゲた桜を見て何が楽しいんだ。
これはマズイ、年1のイベントは逃したくない。>
俺は重い腰を上げとりあえず家を出た。
人がごった返していてかつ遠いところにわざわざ出向くのはマジでゴメンだったので、どうせなら近場に行きたい。
昔母方のじいちゃんばあちゃんが住んでいたほうに石神井川という川が流れていて、そこの橋沿いに咲き乱れる桜がめっちゃくちゃきれいらしい。
砂利のときは一生橋の工事が続いていた記憶しか無く半信半疑ではあったが、今の自宅からも程よく近いのでそこに決めた。
幼い頃の、夢か現実かもわからない曖昧な記憶を頼りに1時間かけて歩いた。
予想通り満開ではないものの評判通り綺麗に咲いていた。
そして人混みのひの字もないぐらいすいている。
思わず車をそこいらに停めて見に来るような人も見受けられるほどだ。
目黒川みたいなアリの巣ぐらいアホほど人がいてろくに前に進めないようなところに行くのは愚の骨頂と感じられるくらいの穴場だった。
桜を見ながら聞く川のせせらぎがあまりにも気持ち良い。
ベンチに座ってチルしたり、ミーハーとは思われたくないのでiphone8を構え色々なアングルで写真を撮って精一杯「その手の業界の人」を演じたり、よだれが出るくらい口をあけてボーっと桜を眺めるなどした。
30分が過ぎたころ、なんか寂しいというかつまらないというか、思っていた花見じゃないというか、ちょっとした違和感で心が少しずつモヤついてきた。
周りを見渡すと俺以外一人で歩いてるやつなんてほぼほぼ見られない。
ツーマンセルかそれ以上がほとんどだった。>
ド平日のド昼間。すれ違うはジジイババア、犬の散歩をするマダム、子持ちの人妻、俺よりも少し若いぐらいのカップル。
そこに紛れるアラサー・サングラス・独身・実家暮らし・彼女なし・Tinderマッチ数2の俺>。
明らかに浮いていた。
唐突にいたたまれなくなった俺は気がついたら帰路についていた。
歩きながら俺は確信した。
冒頭で偉そうに「季節ごとのイベントが好きなんですよ~w」とかほざいていたけど、イベントそのものが好きなのではなく、そのイベントを通して「友達と交流するのが好き」>なだけだったことに。
思い返せば去年は友達と3人で、酒をしばいてから上野公園で夜桜を。
その前の年は当時付き合ってた人と車を走らせて荒川の果ての果てで。
さらにその前は大学サークルの先輩後輩と井の頭公園で。
花見も誰かと一緒に話しながら楽しむことが当たり前だったから、桜が好きなんだと勝手に思い込んでいた。>
そういえば、イルミネーションも一人じゃ見に行かなかったし、お祭りも友達と行ってたわ。
学生の頃にやっていたバンドも、引きこもり時代のゲームも、もしかしたらバンドやゲームそのものではなくて、それを取り巻く人々や環境が好きだったのかもしれない・・・。
帰り道、夕方17時半のチャイムが今日はなんだか胸に響いた。
これ以上引きこもるのはやめよう、今度は誰か誘っていこう、と前向きになった俺はLINEを開き、旧友に「今度、遊ぼうぜ兄ちゃん」とメッセージを送ったが、まだ既読すら付いていない。
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