俺とミオちゃん- イシカワ -

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BUNCAスタッフ・イシカワによる日々のボヤキを発信する連載コラム第4弾。

俺にはミオちゃんという彼女がいる。

俺が付き合う女性に求めることの一番重要な部分
「ボケとツッコミのキャッチボールが出来る人」
それができるのがミオちゃんだ。

会う日には笑い疲れて腹も痛いし、お互い喉がかすれるくらいに話すこともある。

そんな素敵な彼女:ミオちゃんとの出会いは行きつけの美容院。
その店は予約する際に担当を毎度指名しなければならず、いつも男店長を指名していた。

純度100%の天然パーマの俺はカット+縮毛矯正+カラーを頼んだ。
縮毛矯正やカラーには薬剤やヘアアイロンでの施術がつきもの。
その担当をしてくれたのがアシスタントのミオちゃんだった。




(※画像はイメージです。)

一目ぼれだった。


ミオちゃんと話すことのできるチャンスは今しかないかもしれない。そう感じた俺は勇気を出して自分の持つポテンシャルを存分に発揮することにした。

俺は腹を割って話せる友達には、基本的にボケるしツッコミもする。
たわいもない会話の中で大小問わずに笑いを生むのが好きだし、得意なのだ。

まずは誰にでも共通するような当たり障りのない普通の会話を仕掛ける。
「ここでボケてもよさそうやんな」ぐらいの盛り上がり具合の時に、素を出してかましてみる。

…大笑いしてくれた。

そのまま順調にいろいろ話していくと、そのうちに向こうもボケてくれるようになった。

それに対し俺はツッコミを入れて、笑いが起きる。
ボケとツッコミのキャッチボールが見事に成立するようになった。
俺らで漫才を始めようじゃないか。

この勇気がきっかけとなり、ミオちゃんと晴れて付き合うこととなった。

俺の求める彼女像のマストの部分「ボケとツッコミのキャッチボールが出来る人」というところを初めて満たしてくれたのがミオちゃんだ。
今までの彼女は会話の中で無の時間が産まれるような人が多かったので、失礼だがその時と比べると今こうしてミオちゃんと遊んでいるのはとても楽しい!たまらない!

あの時勇気を出して良かった。
俺の横で、執筆しているコラムを読みながら、ミオちゃんは恥ずかしそうに笑みを浮かべている。




…なんてのは全て俺の頭の中にある妄想の話だ。
実際には俺の彼女なんてこの世には存在しない。俺は独り身だ。





ただ美容院で起きた出来事の一部は本当だ。
腹を割れる友達と話す時にボケるしツッコミもするのも本当
ミオちゃん(仮名)の存在も本当

以下に俺の情けない記録を綴る。

―3月某日。
給料も入ったので俺は意気揚々と美容院へ。
いつもの担当である男店長に挨拶し、予約していたカット+縮毛矯正+カラーに取り掛かる。

縮毛矯正やカラーには薬剤やヘアアイロンでの施術がつきもの。その作業を担当をしてくれたのがミオちゃん(仮名)。

担当が突然変わり一瞬緊張感が走ったが、俺は沈黙の時間が嫌な人間だ。
「美容院で店員に話しかけられるのが嫌なんだよね」という話を友達から聞いたりするのだが、俺は真逆。

沈黙が続くよりずっとマシだ。

しかもミオちゃんはクソ可愛い。
どうにかお近づきになりたい!喋りたい!いい匂いする!こっち向いて!

そんなことを考えていた時に、裸の付き合いの友達と「どうやったらモテるのかな?」みたいな相談をしたことが脳裏によぎる。

そうだ、あの時友達から
「普段俺と話してるときみたいに素のままで話してみれば?」
という回答をいただいていたんだ!
勇気を出して話し掛けてみた!俺は基本会話は受け身の人間なのに。

まずは当たり障りのない日常会話から仕掛けて、盛り上がってきたここぞというタイミングでボケをかましてみる。



「あ…ははっ…そうですね…」

以降無言。

乾いた笑い。乾いた空気。そして乾かされていく髪。



俺の恋は終わり、髪だけぴかぴかの俺は帰路に着いた。

この通り情けない体験から冒頭の悲しい妄想まで生んでしまったが、妄想こそ人の原動力だと俺は思う。
事実、引きこもりニートの俺がゲームだけは諦めなかったのも、「スーパーヒーローになりたい」という妄想があってこそだった。

彼女が欲しくてたまらない俺は、冒頭の妄想を原動力にして、なおかつこの妄想を現実に起こすためにTINDERに登録した。








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Author Profile
イシカワ
元引きこもりニート、うんこ製造機。
現こどおじ。
まだ引きこもりがちではある。
1994年生まれの28歳・男・独身。東京は練馬区生まれの練馬区育ち。
東亜学園高等学校卒業後、東京経済大学に入学。
1.5年の留年生活を経て卒業後、2年間のフリーター生活を経てIT系の会社に入社。
およそ1年半働く中で、ストレスから精神的・身体的に体調を崩してしまい退社。
1年半のニート期間を挟み、BUNCAスタッフの友人の紹介で、BUNCAのスタッフとして働くことになった。
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